DLSSやXeSSの対応予定も!『Wo Long: Fallen Dynasty』についてTeam NINJAプロデューサー安田文彦氏にインタビュー

2023年02月17日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

 今注目の最新ゲームの開発者やプロデューサーにメールでインタビューする連載企画の第5回目は、コーエーテクモゲームスのTeam NINJAによる『Wo Long: Fallen Dynasty』をピックアップ! 本作は後漢末期の「三国志」を舞台に展開するダークファンタジーで、主人公である義勇兵が三国志に名を馳せる武将たちと出会いながら逆境へ立ち向かう。

本作には関羽や呂布、曹操など三国志好きなら誰もが知っている武将も多数登場する

 プラットフォームはPlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Xbox Game Pass /PC(Steam/Microsoft Store)と幅広い。中国武術を駆使した剣戟アクションは、非常に激しく爽快感がありそうだ。

 武器も豊富で、武器以外にも五行の力を引き出す「仙術」や武将との絆で生み出される「神獣」を呼び出すなど、さまざまな要素で戦闘を彩る。また、本作独自の「氣勢」を高めることで、溜めた氣をエネルギーとして武技や仙術などの強力な攻撃が繰り出せる。

氣は攻撃をするほど上昇し、守勢に回るほど低下する。氣は強力な攻撃を使用するためのエネルギーになる。氣勢が切れると不利になるため、その駆け引きもバトルでは重要になるようだ

神獣は呼び出すことで強力な力を発揮する

 ちなみに、プレイヤーの見た目は自由に設定が可能。豊富な設定項目や装備品を使って、自分だけの主人公が作り出せる。プレイヤーは「士気ランク」を上げることで強くなっていく。「士気ランク」は敵にもあり、自分よりもランクが高い敵を倒すほど、「士気ランク」は上がりやすく、敵から貴重なアイテムが入手しやすい。そんな、あえて逆境に挑むことでより早く強さを求めるか、慎重に攻略していくかも、プレイヤーに委ねられている。

 加えて、他のプレイヤーとネットワークを通じて、協力して戦場に挑むことも可能。また、一部の戦場では、ほかのプレイヤーが「侵攻」してくる場合や、別の戦場でプレイヤーを倒した敵が、自身の戦場で「復仇」の対象となることもある。そうしたオンライン要素も本作の魅力のひとつになっている。

 そんな本作についてTeam NINJAプロデューサー安田文彦氏(以下、敬称略)に、いくつかの質問にご回答頂いたので、ご紹介したい。

Team NINJAプロデューサー安田文彦氏

編集部:『Wo Long: Fallen Dynasty』を発売することになった経緯を教えてください。

安田:Team NINJAで「仁王」シリーズの今後の展開を考えていた際、「戦国日本」ではない世界観で検討していて、コーエーテクモゲームスが多数のタイトルで描いてきたこともあり、「三国乱世を舞台にした死にゲー」というコンセプトで検討し始めました。

 中国の数千年の歴史をもつ神話や後漢時代ならではの美術、圧倒的なスケールのマップに加え、中国武術を軸としたテンポや駆け引きのコンバットであれば、新規タイトルのコンセプトとなりうると判断して本作の制作がスタートしました。

編集部:ズバリ最大のこだわりポイントは?

安田:中国武術らしい攻守が激しく入れ替わるバトルです。

 本作はスタミナの概念がなく、敵の攻撃を受け流して隙を作る「化勁(かけい)」アクションによって一瞬で攻守が逆転することもあって、アグレッシブで緊張感あふれるバトルが醍醐味となっています。

 そうした一瞬の駆け引きを楽しむために、アクションの手触りの気持ちよさやレスポンスには特にこだわって制作しました。

「化勁」は敵の攻撃を受け流して無力化する戦闘技。攻撃をあしらわれた敵は動揺して「氣勢」が衰え、自身の「氣勢」は高まる

編集部:プレイヤーの皆様に、ここは絶対見て欲しい、といったポイントを教えてください。

安田:コーエーテクモゲームス史上もっともダークな三國志として描く世界観に注目して欲しいです。

 当社が培ってきたイメージを大きく崩さないようにしながらも、ダークで荒廃した世界観にあうような本作らしいアレンジを積極的に入れることに挑戦しています。

 また、ストーリーも史実をベースとしながら、歴史の裏に隠された背景を本作独自に再解釈したオリジナルストーリーで描いています。三国志が詳しい方はもちろん、そうでない方も楽しんで頂けると思います。

洛陽など、三国志で知られる場所もダークな雰囲気が漂っている

編集部:開発環境にハードウェアまたはソフトウェアで取り入れたら役に立ったもの、またはお気に入りの製品などがあったら教えてください。

安田:開発を通じて役に立ったものは様々ありますが、「自動QAシステム」が特に有用でした。自社のQAエンジニアと協力して構築したシステムで、24時間365日ゲームを自動で動作させ、不具合を検知した際は開発チームに通知が届くようにしていました。

 本作は、多くのプラットフォーム向けに開発していたため、QAの効率化は開発チームの手助けになりました。

編集部:今後使ってみたいゲームエンジンやオープンソースのツールなどはあったりしますか?

安田:本作は自社エンジンである「KATANA ENGINE」を利用しています。

 日々進化の続く技術革新に置いていかれないよう、エンジン開発のエンジニアと協力しながら進めていきたいと思っています。

「KATANA ENGINE」によるフォトリアルな表現は、本作でどのように美しい表現を見せてくれるのかも気になるところ

編集部:実は推奨環境で公開している以上に、CPUとGPUどのメーカー製の方が快適に遊べるとか、ヘッドセットやマウスなど、この周辺機器があるとよりゲームが楽しめる、といったワンポイントアドバイスなどが、何かありましたら教えてください。

安田:PCのスペックにあわせて各グラッフィクス設定を変更できるようになっているため、ユーザーの皆様の環境にあわせて選択頂ければと思っております。

 その上で、本作は4K描画やHDRに対応しているため、それらに対応しているモニターやテレビでぜひ遊んで頂きたいです。

編集部:今後のアップデート予定など、お話しできる範囲で教えてください。

安田:ユーザーの皆様からのご意見・ご要望を受け、発売後のアップデートで「DLSS」「XeSS」などのグラッフィクス機能の対応を予定しております。

編集部:最後に読者の方に伝えたいことがあればお願い致します。

安田:コーエーテクモゲームスの「三国志」タイトル制作の経験とTeam NINJAの仁王やNINJA GAIDENシリーズを制作してきた知見を活かした、中国武術アクションを駆使して戦場を攻略していくダーク三國アクションRPGとなります。

 立ちはだかる強大な武将や凶悪な妖魔たちに様々な戦略を駆使しながら何度も挑む…インテンシティの高いTeam NINJAらしい高いゲームプレイをぜひお楽しみください。

Team NINJAらしい、戦略性に富んだアクションに期待しよう!

【ゲーム情報】

タイトル:Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)
ジャンル:ダーク三國アクションRPG
販売:コーエーテクモゲームス
プラットフォーム:PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Xbox Game Pass /PC(Steam/Microsoft Store)
※パッケージ版はPS5/PS4のみ。
発売日:2023年3月3日 ※世界同日発売
価格:
 通常版:8580円(パッケージ版/ダウンロード版)
 Treasure Box:1万3530円(パッケージ版)
 Treasure Box(グッズのみ):4950円
 Digital Deluxe Edition:1万1880円(ダウンロード版)
 シーズンパス:3300円
 ダウンロードコンテンツ(3種):各1480円
※Xbox Game Pass会員は無料
CERO:D(17歳以上対象)

この記事をシェアしよう

ASCII.jpの最新情報を購読しよう

この連載の記事