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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第66回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 1月14日~1月20日

ソフトウェア内製化推進の企業が過半数、業務時間外の「つながらない権利」への支持、ほか

2023年01月23日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年1月14日~1月20日)は、コロナ・ウクライナ情勢を受けた最新の国内IT市場動向、企業がソフトウェア内製化を進める理由、好調な脅威インテリジェンス市場、業務時間外の「つながらない権利」に対する意識、米国の年末商戦とECについてのデータを紹介します。

■[IT投資]2021年のIT市場は5%成長、2022年は4%増成長し20兆円越えの予測(IDC Japan、1月19日)
・2021年の国内IT市場は19兆3167億円、前年比5%増
・2022年の予測は前年比4%増の20兆2137億円、前回の予測から0.6%改善
・クラウド化やサブスクモデルなどマクロ経済の影響を受けにくいビジネス構造に変化

 新型コロナとロシア・ウクライナ戦争による2022年9月末時点の影響を考慮した国内IT市場予測。2022年5月発行の前回レポートと比較して、2021年の実績は0.4ポイント改善して前年比5.2%増、19兆3167億円となった。2022年の予測も0.6ポイント改善し、前年比4.6%増の20兆2137億円としている。コロナ、ウクライナ情勢、世界経済の減速懸念、円安による輸入原材料価格の上昇といった下押し圧力はあるものの、サプライチェーンにおける制約の緩和、国内サービス消費やインバウンド需要により緩やかに回復しているという。

国内IT市場 産業分野別の支出額予測。2021年は実績値、22年以降は予測値(出典:IDC Japan)

■[開発]SIerコストが高額、やり取りに時間がかかる――企業が内製化を進める理由(ガートナージャパン、1月18日)
・企業のソフトウェア開発方針は「内製化の方向」が54%、「外製化の方向」(35%)を上回る
・内製化推進の理由は「開発コストの削減」(55%)「開発などの迅速化」(49%)など
・内製化の阻害要因は「人手不足」(64%)

 日本国内のユーザー企業のソフトウェア開発従事者を対象に、内製化について訊ねた2022年4月調査。内製化を推進する理由については、「開発コストの削減(SIに払うコストが高額など)」(55.2%)などが挙がった。内製化を阻害する要因及び外部委託を推進する理由については、「IT部門の人手不足」(64.7%)が最も多く挙がり、内製化を進めたくても人員がいないために外部委託せざるを得ない状況も浮き彫りになっている。

内製化を進める理由。「開発コストの削減」「開発、実装、保守対応の迅速化」などが挙がった(出典:ガートナージャパン)

内製化の妨げおよび外部委託を推進する理由は「IT部門の人材不足」が64%と多くを占める(出典:ガートナージャパン)

■[セキュリティ]脅威インテリジェンスサービス市場が好調、2021年は前年比38%増加(アイ・ティ・アール、1月19日)
・国内スレットインテリジェンスサービス市場は2021年、38億4000万円規模に、前年比38%増
・2022年は前年比39%増を予想
・グローバル企業が多い製造業、金融業を中心に市場拡大

 サイバーセキュリティの脅威についての情報や洞察などを提供するスレット(脅威)インテリジェンスサービスの市場動向予測。サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、情報収集と分析により攻撃の予兆を把握、対策に役立てることができることから、サービスを利用する企業が増加しているという。2021年の売り上げ規模は38億4000万円、前年から38.6%増加した。2022年は39.6%増とさらに高い成長率を見込む。2021年から2026年はCAGR18.8%で成長すると予想している。

スレットインテリジェンスサービス市場規模の推移及び予測(出典:ITR)

■[働き方]「『つながらない権利』への配慮が必要」は7割超、テレワークや時差通勤は「変えたくない」が6割越え(ビッグローブ、1月18日)
・時間外に業務対応した経験がある人は41%>
・85%が「つながらない権利に対する配慮が必要」>
・テレワークや時差通勤は「変えたくない」は65%

 国内で働く20~50代の男女約900人に「働き方」について聞いた。時間外の業務対応は41.5%が「経験あり」と回答。業務時間外や休日の「つながらない権利」に対する配慮が必要だと思う人は74.9%に上った。リスキルについては、「取り組みたいと思う」が55.5%。「2023年は働き方をどのように変えたいか」をテーマに、「テレワーク」「時差通勤」「残業」はそれぞれ65.1%、66.3%、60.1%が「変えたくない」と回答した。

8割弱が「つながらない権利」への配慮が必要と考えている(出典:ビッグローブ)

2023年は働き方をどのように変えたいかでは、テレワークや時差通勤など「変えたくない」が多くを占めた(出典:ビッグローブ)

■[小売][生活]2022年の米国の年末商戦、EC売上総額は2117億ドルと過去最高記録を達成(アドビ、1月18日)
・2022年の米国年末商戦(11月、12月)のEC総額は2117億ドル、前年同期比3%増
・感謝祭からサイバーマンデー(11月24日~28日)は353億ドル、前年同期比4%
・モバイルの比率は47%、2021年の43%から4ポイント上昇

 同社の「Adobe Analytics」で収集したオンライン商取引データをもとに、米国の小売サイトの状況を分析した。2022年11月1日~12月31日に消費者がECで費やした総額は前年同期比3.5%増の2117億ドル。新記録となった。感謝祭からサイバーマンデー(11月24日~28日)の“サイバーウィーク”の消費額は353億ドルで、前年同期から4%増加した。2ヶ月のシーズン中、1日のオンライン消費額が30億ドルを超えた日は38日あった。モバイルが占める比率は47%と増加した。後払い決済(BNPL)は注文数が増加した一方で、コロナで普及した駐車場受け取りサービスの利用は微減したと報告している。

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