スマホと連動する電動アシスト自転車「e-bike」試乗レポ 第1回
理想のe-bikeを探せ! その1
オシャレだけど走りはガチのe-bike! BESV「PS-1」は電動アシストが切れても快適に走れる
2023年01月16日 12時00分更新
2022年、荻窪圭は理想のe-bike(電動自転車)を求めて旅に出たのであった。いや、旅になんか出ないけど、理想のe-bikeを求めてってのはホント。
e-bikeという呼称にまだ慣れていないのだけど、世間ではスポーツ自転車系の電動アシスト自転車を、子供乗せに特化した電動アシストママチャリ(シティーサイクル)と区別すべく、誰かが言い出したらしい。電動アシストは極めて優れたシステムで、地味に脚力を使う停止状態からの漕ぎ出しと、強烈に足腰を駆使する上り坂を強くフォローしてくれる。これはありがたい。
だが道路交通法により10km/hを超えると徐々にアシスト力が弱くなり、体感的には20km/h前後あたりからあまり感じなくなり、24km/hでゼロになる。これは日本の型式認定を取得しているどの電動アシスト自転車でも一緒だ。ゼロになると、モーターとバッテリーによる車重の重さが効いてくる。重いとそれだけこぐのに力が必要になり、アシストレスの自転車に比べて巡航速度の維持が難しくなる(要するに思ったより快適に走れない)のだ。
近所のちょっとした街乗りならいいけど、サイクリングを楽しみたいとなるとそこがネックになる。スピードに乗ったら、巡航速度25~30km/hくらいで気持ちよく走りたい。この矛盾しそうな両者を同時に満たせるe-bikeが理想なのだ。
そこで、数あるe-bikeから専用のスマホアプリを持ち、大人の趣味のe-bikeとしてふさわしいデザインや性能を持つ自転車をジャンルがかぶらないよう3台選び、順に試乗することにしたのである。果たして理想のe-bikeは見つかるのか。
BESV「PS-1」の試乗からスタート!
最初に挑戦したのがBESVの「PS-1」だ。BESVはe-bike専門のブランドで多くのラインナップを持っているが、その代表がPSシリーズ(PS-1、PSA-1、PSF-1の3つがある)である。デザインが個性的なので、昔からずっと気になっていたのだ。
PS-1は見ての通り小径車でタイヤは20インチ。電動アシスト自転車と言えば、シートポストのあたりにドカッとくっついてる四角くて大きなバッテリーと、クランク軸についているモーターが目印みたいなものだが、PS-1はそこをすっきりデザインしているのがミソだ。フレームの真ん中にある三角の部品がバッテリーで、モーターは後輪のハブに内蔵されている後輪駆動となっている。
このデザインがいい。そして前輪にはスプリングの、後輪には空気を使ったサスペンションが装備されているので乗り心地も悪くない。ハンドルの中央に液晶パネルがあり、操作は左手側にあるボタンで行なう。
ユニークなのは電源スイッチが手元にないこと。なんとバッテリーのキーが電源オンオフを兼ねているのだ。バッテリーの鍵穴にキーを差し込み、右に回すとオンとなって電源がはいり、キーは抜けなくなる。つまり走行時はキーをさしたままになるので、じゃらじゃらしたキーホルダーを付けてはいけない(こぐとき足に当たってうっとうしいから)。
また、キーを押しながら左に回すとバッテリーの着脱が可能になる。鍵穴の左に充電用端子があるので、ガレージに電源があったり、自転車を毎回室内に入れて保管するならバッテリーを装着したまま充電。どちらでもない人はバッテリーを外して充電しよう。
では走ってみるのだが、その前にASCII.jpらしくスマホとの接続を紹介しよう。
専用アプリでスマホと接続すべし
PS-1はBluetoothを使ってスマホと連携できるのだ。
「BESV SMART APP」はiOSとAndroid対応。インストールしたらアプリを起動して、Bluetoothアイコンをタップすると画面に自転車の名が出てくるので、それをタップすればペアリング完了。非常に簡素で簡単だが、その代わり毎回この作業が必要になる。
アプリは横向きのみなので、スマホホルダーを装着するときは横向き対応のものにすること(装着しなくてもOKだけど)。地図の表示もできるが、リアルタイム地図表示はGPSログの記録をオンにしたときだけになる。これはいつも見られるようにしてほしい。また、このアプリで取るログはけっこう粗く、他形式への書き出しもできないので、きっちりしたログを取りたい人はバックグラウンドでGPSロガー系アプリを動かそう。
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