Mini-ITXマザーボードの難易度は高いが、ATXにはない楽しみ方がある
Mini-ITX自作の醍醐味!MSI「MPG Z790I EDGE WIFI」で小型ハイエンドPCの沼にハマろう
冷却に関しては、CPUソケットの三方を囲む大きなヒートシンクが担っている。よく見るとCPUソケット左側にあるVRMヒートシンクの上寄り内部に小径ファンも搭載している。アクティブクーリングは動作音の点で敬遠されることもあるが、ハイエンドMini-ITXに関しては必須と言えるだろう。
今回の使用パーツ紹介。少しコツがいる小型PCの組み立てを写真で解説
MPG Z790I EDGE WIFIをさらりと紹介してきたが、やはりMini-ITXマザーボードの魅力は作例として見ていただくのが最適だろう。そこで1台、コンパクトなハイエンドPCを組んでみた。季節は冬なのだから、雪のようなホワイトPCを組んでみよう。
今回の作例だが、難易度は比較的高めで、組み立て順もある程度決まってしまっていて、間違えると手間が増える。このあたりは主にケースによって手順も変わってくる。そこで、あくまで今回のパーツ構成ならということになるが、使用パーツの紹介も兼ねつつおおよその組み立て手順を写真も添えて紹介していこう。
まずはCPUだ。第13世代Coreは現状「K」付きのCPUのみで、MTPが200W超あるいは低めのモデルでも100W台後半と高く、熱量も大きい。Mini-ITXで組むのであれば、本来なら「K」ではない消費電力を抑えたモデルの登場を待つべきだ。ただ、一方でPL1/PL2を控えめに設定すれば、冷却に制限のある小型PCケースでも扱いやすくなる。高価なCPUを抑えて使うなんてもったいない! という声はもっともだが、より重要なのは本人が満足すること。パフォーマンスであったり静音性であったり、それが小ささであってもよいだろう。
次はメモリ。今回はKingstonの「Fury Beast RGB KF560C36BBEAK2-32 32GB 」(16GB x2)を用いた。動作クロックはDDR5-6000(XMP)。XMPプロファイルにはDDR5-5600も登録されていた。
続いてSSD。今回はMSIのM.2 SSD 1TBモデルを用いた。PCI Express Gen3 x4接続なので、発熱はマイルドなはずだ。マザーボードレイアウトを見てお気づきのとおり、M.2スロットの下にあるのは熱源でもあるチップセット。さらにCPUソケットとPCI Express x16スロットに挟まれている位置なので、それらの熱の影響も受けやすい。そのため、SSDの発熱は控えめに、それでいて十分なパフォーマンスがあるものを選ぶのがオススメだ。
この流れでマザーボードにCPUクーラーも装着していく。今回用いたのはMSIの「MAG CORELIQUID 240R V2 WHITE」。24cmクラスの簡易水冷CPUクーラーだ。CPUにCore i7-13700Kを選んでおり、またこの後で紹介するが、Mini-ITX向けの小型PCケースを選んでいるため、搭載できるサイズで冷却性能は高めのものがよい。
PCケースはCooler Masterの「MasterBox NR200P」のホワイトモデルとした。3スロット厚のビデオカードを搭載可能なMini-ITX向けのマイクロタワーケースだ。後の写真でもご覧いただきたいが、各部かなりバラせるケースで、小型のわりには組み立てやすい。さらにビデオカードを縦置きレイアウトすることもでき、その場合には底面に水冷ラジエータを置くことができる。なお、電源はSFXまたはSFX-Lに制限される。
電源はCooler Masterの「V850 SFX GOLD - WHITE EDITION」を選んだ。ホワイトでSFXというまさに今回の作例にうってつけ。さらに出力が850Wあるので、ハイエンドビデオカードとの組み合わせも可能だ。フルプラグイン方式を採用しており、ケーブルは後から接続することができる。
マザーボード側、ケース側のパーツがある程度組み上がったところで、合体させていく。この時、MasterBox NR200Pのバラせる構造がかなり難易度を引き下げてくれた。ちなみに、3段の拡張スロット部分、ビデオカードの後部に近いケースのフロント部分が空いていることにお気づきだろうか。長さのあるビデオカードを搭載する時、このスペースが役に立つ。MasterBox NR200Pが対応するビデオカード長は33cm。今回、32.3cmというギリギリの長さのビデオカード「GeForce RTX 3080 GAMING Z TRIO 12G LHR」を搭載することができた。
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