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Mini-ITXマザーボードの難易度は高いが、ATXにはない楽しみ方がある

Mini-ITX自作の醍醐味!MSI「MPG Z790I EDGE WIFI」で小型ハイエンドPCの沼にハマろう

文●石川ひさよし 編集●ASCII

提供: エムエスアイコンピュータージャパン

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 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、4K高品質設定で8512(快適)、4K標準品質で10107(とても快適)、WQHD高品質は14186(非常に快適)といった結果だった。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク、4K高品質のスコア

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク、4K標準品質のスコア

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク、WQHD高品質のスコア

 とはいえ、ベンチマーク中はかなり温かいドライヤー的な熱風が排気される。温度は大丈夫なのだろうか。CPUについてはCINEBENCH R23のMulti Coreを10分間実行してログを確認してみた。

 アイドル時は40℃台で推移することもあるが、Multi Coreテストを実行すると15秒も持たずに100℃(サーマルスロットリングがかかる)に達した。PL1/PL2が無制限というわけでもなく、定格の253Wであっても、小型PCケースと24cm簡易水冷CPUクーラーではかなり負担が大きいようだ。ただ、サーマルスロットリングがかかってもおおむね4.4GHzで推移しているため、先のベンチマークのようにスコアは十分ということになる。

CINEBENCH R23のMulti Coreにおける温度推移

 続いてFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークをWQHD高品質設定で実行した際のログを確認してみた。こちらはCINEBENCH R23ほどCPU負荷は高くないが、一方でGPU負荷は高い。CPU温度に関しては100℃に達することはなく最大92℃。microATX向けのミニタワー、ATX向けのミドルタワーケースに24cmクラスの簡易水冷CPUクーラーを用いた場合と比べて20〜30℃ほど最大温度が高いようだ。一方、GPU温度もベンチマーク開始とともに上昇し、80℃台で推移する。こちらもサーマルスロットリングの制限がかかった状態でゲームが進行している印象だ。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークのWQHD高品質における温度推移

 また、消費電力もFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(WQHD高品質)時で最大660Wに達していた。850Wの電源の78%負荷だ。スロットリングでGPUクロックが抑えられていてこの値だ。これがCPU・GPUともフルロードだったなら、サーマルスロットリングが効いても700Wを超えてくるだろうと思われる。そうなると850W電源でも心もとない。

MPG Z790I EDGE WIFIを手に、小型ハイエンドPCの沼にハマろう

 今回の作例はかなり過激なスペックで、とくにPCケースの小ささは冷却、そしてATX電源を搭載できないことで、電源出力に余裕を持たせられないという2つの点がハードルを高めている。とはいえ、ひと通り組み立て、動かすことは可能だった。ここがMini-ITXによる小型PCを組む醍醐味、挑戦的なところだろう。CPU、GPUともにサーマルスロットリングがかかった状態だったが、パフォーマンスも十分だ。

 今回、簡易水冷CPUクーラーのファンを排気として用いたが、吸気だったならばまた変わったかもしれない。ビデオカードの直上に置くレイアウトのため、排気のほうが高効率ではないかと判断したのだが、果たして正しかっただろうか。実際に組んでみようという方は、双方を試してよりよいほうを採用するのがよいだろう。

 まあ、実際のところ、作例としては非常にチャレンジングだったが、読者の皆さまが常用PCを組むとなったら……少し悩むところがある。半導体の寿命はさらされる温度に影響される。マザーボードのMPG Z790I EDGE WIFIは、高耐久、温度耐性も高い部品を用いており、そう簡単に壊れるということはないだろう。サーマルスロットリングによってCPUやGPU、SSDなども即座に損傷するようなことはない。ただ、温度推移グラフのとおりケース内はかなりの高温だ。パーツのグレードを落とす決断が必要となる時もある。今回ほどグレード高めのパーツを狙わなければ、もう少し気軽に、もう少し実用的な温度での運用が可能だろう。

 一方、もしパーツを買ってしまってから、また組んでしまってから温度に不安を覚えたら、BIOSやAFTERBURNERによるチューニングで熱量を落とす必要があるだろう。小型PCはどう熱を制すかだ。ハマればOCと同じくらい奥が深く、それが楽しく思えてくる。この記事を読み、試してみようと思った方はMPG Z790I EDGE WIFIをお手に取り、体積あたりのパフォーマンスの更新を狙ってみていただきたい。

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