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新車を買った情報2022 第111回

フルサス装備で世界のナベアツ化した自転車について

2022年12月04日 09時00分更新

文● 四本淑三 編集● ASCII

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エラストマーの組み合わせでバネの硬さを調整

 最初に体重に合わせ、取説通りにバネの強さを設定します。この設定が適用できる体重は、80mmサイズの場合、ドロップハンドルで93kg、フラットバーが98kgまで。ステムとしての許容荷重は135kgです。

 バネとなるのはエラストマーで「黄・橙・青・緑・黒」と硬さの違うグミのようなものが5個付属し、これらを2つ組み合わせて、あるいは1個単独で、ステム中に挿入します。

 ステム内には十字に間仕切りされたプレートがあり、エラストマーはその上側の2室に収まります。

 このプレートはフォーク側のクランプに固定されており、可動するのはハンドルクランプを持つ外側のケース。その間にエラストマーを挟んで圧縮する仕組みです。自動車のサスで言えば、プレートがサスを支える車体側のアッパーマウント、ケースがスイングアームという見立てもできます。

 このエラストマーを適度に圧縮してプリロード状態を作るため、十字プレートの下側にクサビ型のパーツを差し込みます。これでアングルは上向き6度、あるいは下向き6度に固定されます。

 このステムで面倒なのは、調整のたびにクランプを外し、エラストマーやクサビの着脱をしなければならないことです。乗車姿勢によってステムにかかる荷重も違いますから、初期設定が気に入らなければエラストマーの組み合わせは試したい。私はこのステムを上向きに取り付けましたが、下向きにするならエラストマーとクサビの挿入位置も逆にしなければなりません。

 でもその作業はやってみるとちょっと楽しい。

 先のクサビ型のパーツ、挿入するにも抜き取るにもそれなりの力が要るため、挿抜用の赤い専用工具が付いてきます。なかなかしっかりした造りの工具で、自転車のクランクを抜くエキストラクターのようで面白い。

 そして十字プレートを固定するネジのトルク指定は3Nm。5Nm以下を測れるものがなかったので、ついでにシブイチ(1/4インチ、6.35mm軸)のトルクレンチを奮発してしまいました。ちっちゃい東日、とっても可愛い。

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