困難をチャンスに変え、体質を強化したダイキンの成長戦略は加速
十河社長兼CEOは、「ダイキンの強みは、社員たちが受け身ではなく、自主的に、使命だと思って事業に取り組んでいる点にある。挑戦につぐ挑戦、実行につぐ実行が、各拠点や各部門の文化になりつつある。厳しい環境でも、マイナス思考にならず、『よし、やってやろう』という挑戦する姿勢が根づいている。社員みんなの力で、いまがある」とする。
そして、長年に渡り、インバータやヒートポンプ、低GWP冷媒などの環境技術を磨き、環境の観点から差別化商品をグローバルに展開してきたことも強みだとする。
「今後も地産地消を基本とした事業の地域最寄化、求心力と遠心力を利かせたグローカリゼーションの徹底した実践といった当社独自の強みに加えて、環境先進技術を活かした事業展開により、業績の拡大だけでなく、社会課題の解決にもつなげていく」
過去に経験がないコストアップの影響も、差別化製品の投入による売価政策に加えて、グローバルでの変動費のコストダウン、固定費削減の取り組みなど、同社が取り組む「重点8テーマ+1」の実行を徹底することで、マイナス影響をカバーし、実質ベースでも増収増益を果たしている。
「下期もやり切り、打ち手はもう一段進める。これによって、中期経営計画であるFusion2025の飛躍にもつなげたい」
困難をチャンスに変え、体質を強化したダイキンの成長戦略は、まだ加速することになりそうだ。
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