今年度2回目となる上方修正を発表、為替に頼らず
ダイキン工業が発表した2022年度上期決算は、売上高が前年同期比29.6%増の2兆197億円、営業利益は15.0%増の2216億円、経常利益は13.1%増の2226億円、当期純利益は12.4%増の1563億円となった。
ダイキン工業の十河政則社長兼CEOは、「2022年度上期は売上高、営業利益ともに過去最高の業績を達成した。売上高は上期初の2兆円台。営業利益も上期初の2000億円台。為替の円安効果を除く実力値でも増収増益である」と、力強い業績に手応えをみせる。
これを受けて、2022年度通期業績見通しは、今年度2回目となる上方修正を発表。売上高は前年同期比20.9%増の3兆7600億円、営業利益は14.7%増の3630億円、経常利益は9.3%増の3580億円、当期純利益は7.9%増の2350億円とする。
「通期見通しも為替のプラス効果に頼らず、増収増益を目指す。過去最高業績の更新を目指す」とした。
そして、「為替に頼る経営はしない。下期計画には足元の円安効果を織り込んでいない。現在の計画をやり切って、円安によるプラス効果はすべて残していく」と言い切る。
記録的な円安となっているものの、通期ではドルは129円、ユーロ132円の前提で業績を算定している。現在の円安が維持されれば、売上高も、利益もさらに上振れすることになる。
だが、十河社長兼CEOは、そこに興味はない。
「為替を入れると、真の実力値がわからなくなるため、当初から、実力値ベースで経営計画を立てており、各地でも実力値ベースで経営をしてきた。円安が続けば、売上高も、利益もプラスになるが、その結果は計算したことがないし、社内にも、試しに計算してみろ、といったこともない。やっても意味がない」と語る。
むしろ、「経営としては、来期がどうなるかを考えなくてはならない。円安が続けばスタートする発射台は、高い数字から始まる」と、いまから厳しい見方をする。
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