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増える「燃え尽き症候群」社員、生産性は32%、集中力は60%も低下―Slack調査

2022年10月24日 13時00分更新

文● ASCII

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 Slackは10月20日、同社が支援するコンソーシアムFuture Forumによる調査「リモートでの従業員体験レポート」の最新版を発表した。

 調査結果によると、経営者層に関しては、過去1年間で仕事上のストレスや不安が40%増加するなど、体験スコアが過去最低になったことがわかった。

 一方で、柔軟性のある環境で働く労働者は生産性が高く、チームや企業価値との結びつきが強いことも明らかになった。

 この調査は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、オーストラリアのナレッジワーカー(知識労働者)1万人以上を対象として行われた。

 調査結果によると、経営層の仕事関係のストレスと不安は昨年比で40%増加し、ワークライフバランスは20%、仕事に対する満足度は15%低下した。

 また、経営層は、古い働き方に戻ろうとする傾向があり、他の従業員よりもはるかに多くの時間をオフィスで過ごしたいと答えている。経営層の60%が一般従業員からの意見をほとんど聞かずに会社の方針を決定しているという結果も出ている。

 一方、リモートやハイブリッド環境で働く柔軟性の高い回答者は、オフィス勤務者よりも生産性スコアが4%高いことがわかった。勤務時間を自由に変更できる従業員は、できない従業員よりも生産性が29%高いという結果も出ている。

 また、このように働く時間や場所に柔軟性を持つフレキシブルワーカーは、オフィス勤務者と比較して、過去2年間で企業文化が向上したと回答する確率が52%高くなった。

 企業に求められているのは従来の働き方に「戻る」ことではなく、新しい働き方を「再設計する」ことだと言える。

 

 

 今回の調査では「自分は燃え尽きた」と感じてしまう「燃え尽き症候群」についても触れられている。

 燃え尽き症候群のデスクワーカーは5月から8%上昇し全世界で40%に達した。最も顕著なのは米国で、43%が燃え尽きを感じていることがわかった。

 燃え尽き症候群の従業員は、そうでない従業員に比べ、仕事上のストレスや不安が22倍になっていることも明らかになった。また、生産性が32%、集中力も60%低下しているという。

 さらに、女性は男性より32%多く燃え尽き症候群であると回答し、18歳から29歳の若年層についても半数近く(49%)が燃え尽きを感じていると回答している。

 役職別で見るとリスクが43%と最も高いのが中間管理職だ。幹部の32%が燃え尽き症候群を経験していると述べている。

 経営層は、燃え尽き症候群などの問題を解決し、より新しく時代にあった職場環境を促進することに焦点を当てる必要がある。

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