ソニーからVlog用コンデジの第2弾、「VLOGCAM ZV-1F」が発表されたのである。それを見たときに、これ、膝猫Vlogとかにイケそう、と思ったのだ。
VLOGCAMとしては一眼タイプも含めると第3弾なのだけど、今までと違うのは、よりシンプルになり、いちばん広角のレンズを搭載していること。広角単焦点レンズって使い道は限定されるけど(望遠撮影はできないし)、逆に、こういう人にこう使ってほしいっていうメッセージが強く出てるのがいいのである。メッセージが込められた製品は使ってて楽しい。今回、そのZV-1Fをいち早くお借りできたので、早速使ってみた。
で、冒頭写真は、うちの膝猫を撮ってみたもの。ZV-1Fのレンズは20mm相当。単焦点レンズとしてはすごく広角で、スマホでいえば超広角カメラと広角カメラの中間くらい。自撮り時に自分と背景を一緒に入れたり、複数の人を同じフレームに収められる感じだ。猫を撮るなら、いつでも近距離で猫と対峙できる。さらに、シューティンググリップ「GP-VPT2BT」(別売り)を付けると、手に持ったままの撮影や、テーブル三脚として、さっと置いての自撮り撮影も簡単にできる。
マイクに装着するウインドストッパー(通称「モフモフ」)が付属するのも、音声が重要なVlog用としてはすごくいい。だがしかし、相手は猫なので、そうそうカメラに向かって芸をしてくれるわけじゃないのである。なんとか、うちの「かふか」を膝に呼んで、猫自撮り動画に挑戦してみたのがこちらだ。
これだけだとあんまりなので、猫にぐっと近づいて撮れる場所へ行こうと、いつもの「保護猫シェルター QUEUE」を訪問。
日の当たる午後に、のんびり昼寝してる保護猫に膝猫を強要するわけにもいかないので(そのくせ、期待してないときは乗ってきたりするのだ。猫だから)、シューティンググリップを手に持って猫に迫ってみた。グリップとして手に持って撮るときはこんな感じ。そのままリモコンになっているので、握ったまま親指でさっと操作できる。
静止画モードと動画モードを切り替えながらあれこれ遊んだのだけど、グリップを付けてると、静止画時でもいつもより猫に一歩寄れる感があって楽しい。ちょっと高いところ、キッチンのレンジフードの上がお気に入りのハチワレも、ちょっと腕を伸ばせば真正面から撮れる。広角ならではの背景の広さもいい。
逆に、モニタを開いてローアングルってのも楽しめる。これも、広角ならではの広がりが感じるおもしろい絵になった。キャットタワーのハンモックから足がびよんとはみ出てたので、わざとそこだけをねらったのだ。基本的にフルオートで、カメラ任せで気軽に撮るカメラなのだけど、こういうシーンだけはプラスの露出補正をかけて、白をより白くしてみた。
はじめから超広角レンズのみ、とわかってると、それを生かした撮り方をするようになる。さっきの足がはみ出てる猫。今度は、モニタを逆にくるっと回して上から。足がややこしいことになってるけど(なぜ片方は上を向いて、片方は下を向いてるんだ?)、なにしろ相手は猫なのだからしょうがない。
ほかにも、なぜか壁に前足を突っ張って寝てる猫もいて。なぜ突っ張る必要があるのかさっぱりわからないのだが、まあ猫だからね。
そんな午後のまったりした猫たち+昼間でも元気な子猫を簡単に動画にしてみた。動画の編集は、「Adobe Premiere Rush」を使ってる。それがこちらだ。
午後のまったりタイムに訪問したので、全体にまったり感がある。いくつかの短い動画をつないだものだが、ぐぐっと寄った絵をメインに使うのがポイント。
残念なのは、猫瞳AF機能が静止画時しか使えないこと。人を映すことを最優先に開発された(と思う)Vlog向きカメラなので仕方がないのだが、今後は、猫Vlog向け機能もぜひってことで。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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