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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第786回

画質がよくなった「iPhone 14 Pro」のデジタルズームは2倍、6倍、そして15倍までイケる

2022年10月19日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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2倍ズームで撮った、うちの黒猫ミル。室内で黒猫の顔をアップで撮ってこのクオリティ。iPhoneはたいてい手を伸ばせば届くところに置いてるから、飼い猫撮りがはかどるのだ。2022年10月 アップル iPhone 14 Pro

 仕事だからしょうがないといいながら、毎年、律儀にiPhoneを買い換えてる荻窪圭です。

 毎年買い換えてるおかげで、年々カメラ性能が上がってるなと実感できるのだけど、今回はいつもより、もう旧機種に戻れないと感じている。カメラ部分が大きく出っ張ってることと、カメラ回りの部材がテカテカしてるのは気に入らなかったのだが、そこはiPhoneのカメラカバーを装着することで解決したのでよし。

アップル純正シリコーンケース+NIMASOのレンズカバーで覆われた、私のiPhone 14 Pro。ケースのカメラユニットを保護する出っ張りとレンズカバーの高さが合ってて、一体感がある。

 iPhone 14 Proの猫撮りカメラとしての注目点は2つ。「デジタルズーム」と「フロントカメラ」の進化だ。

 まずは、デジタルズーム時の画質。カメラが3つ付いてても、その間の画角で撮りたいときや、より望遠で撮りたいときはデジタルズームが必要になるのだが、従来のiPhoneはそのクオリティがいま一つだった。それが、改善されたのだ。

 冒頭写真は、うちの黒猫ミルなんだけど、2倍のデジタルズームで撮ったもの。新たに「2x」ボタンが増設され、さっと使えるようになったのだが、この2倍ズームが超便利なのである。メインカメラは猫を撮るにはちょっと広角すぎるからね。

 次の写真は、うちのキジトラ猫、かふか。あるとき、ポンと私の仕事机に飛び乗り、しれっとiMacの裏に入り込んじゃったのである。そこはいろいろと抜けたら困るケーブルがいっぱいあるし、以前、長さを間違えて買ったせいでヤバい感じになってるLANケーブルもあるから慌てたのだけど、気づいたときにはiPhone 14 Proの2倍ズームで撮ってました。そしたら、暗い場所なのに予想以上の写りで感心したのである。

iMacの影で暗いので、キレイに撮れるか心配だったけど予想以上のクオリティ。裏に入り込んじゃったって顔がまたいい。青いケーブルが、短すぎるLANケーブル。2022年9月 アップル iPhone 14 Pro

 次は、外で出会った猫だ。自転車で、つつーっと走ってたら、左手にちょっと違和感を覚えて振り返ると塀の上に猫が。急に止まると猫が驚くので、ちょっと行きすぎたところで止め、そっと近寄るとこっちを見てた。まずは、3倍の望遠で。

住宅街を自転車で走ってるときのこと。なんか塀の上にいる、と思ったら猫がくつろいでたの図。きれいなキジトラだ。「3x」の望遠でいい感じに。2022年9月 アップル iPhone 14 Pro

 やがて、塀の内側へ飛び降りた(まあそっちに行けば安全だしな)と思いきや、塀の内側をととと歩いてきて、興味津々でこっちを見てるじゃないか。すかさず2倍ズームで。3倍よりこっちのほうがキレイだし、2倍だと、ちょうど塀越しに対峙してるって感じが出ていいのだ。

近くに来てくれたので、隙間から2倍ズームで。このくらいの距離感で撮れるのがいい。2022年9月 アップル iPhone 14 Pro

 その子がちょっと離れた場所へ行ったかと思ったら、今度は別の猫が来た。模様が似てるから兄弟なんだろう。首元が白くて、あごひげみたいでカッコいいキジトラだ。こちらも2倍の望遠で。

模様が似てるので、さっきの猫と兄弟っぽいけど、こちらはあごひげっぽい白い毛と足先の白がカッコいいのだった。2022年9月 アップル iPhone 14 Pro

 2倍の望遠が、めっちゃ役立ってるのがわかってもらえたかと思う。さらに、3倍の望遠でも届かないところは6倍とか15倍とかのデジタルズームになるのだが、このデジタルズームの画質も上がり、今までの機種よりずっとディテールをしっかり残してくれるのだ。今までは、猫をデジタルズームで撮ると、細かいところがベタっと塗り絵みたいになってたからね。

かなり離れてたので、15倍の最大ズームで。さすがに、ここまでデジタルズームをかけると画質は落ちるけど、今までよりはずっと使える。2022年10月 アップル iPhone 14 Pro

 次は、6倍のズーム。35mm判換算で240mmくらいで、猫を撮るには十分すぎる望遠だ。

6倍ズーム(つまり、「3x」望遠カメラの「2x」)なら、かなり実用的だ。2匹仲よくくつろいでた猫。血はつながってないらしい。2022年10月 アップル iPhone 14 Pro

 さて、もう一つの注目点は、フロントカメラが強化されたこと。画質が上がり、さらにAFが付いた。

 これが、膝猫を撮るときに重宝するのである。ほぼ、猫を飼ってる人向けの強化ですな。膝に乗った猫も、インカメラにして猫の前にスマホをかざしてやれば簡単。AFのおかげで、猫が近くてもちゃんとピントが合うのがいい。

ソファーに座ると飛んでくる、うちのかふか。膝猫をインカメラで撮ってこの画質である。猫をなでながら撮るのによし。2022年10月 アップル iPhone 14 Pro

 ついでに、膝猫を超ローアングルで顎の下を撮ってみた。おもしろそうな絵が撮れそうと思ったら、つい試しちゃうのである。

膝猫を顎の下から撮ってみた。普通では撮れないアングルもインカメラなら簡単。2022年10月 アップル iPhone 14 Pro

 もちろん飼い猫じゃなくても、近所になじみの膝猫がいるとか、めちゃ人なつっこくて、くっついてくる猫がいるとか、そんなときにも活躍するのだ。

 iPhoneって目立つから、新型が出るたびに画期的なものがないって文句を言われがちなんだけど、いざ生活の中で使ってみると、しっかり進化してるのだ。特に、今回は猫好きにいい進化であり、猫を飼ってる人は買い換えて損はないと思ってますですよ。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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