最新パーツ性能チェック 第385回
マルチスレッド性能41%アップはマジだった!気になる消費電力は?
CINEBENCH番長は秒で奪還!Core i9-13900K/Core i7-13700K/Core i5-13600K速攻レビュー【前編】
2022年10月20日 22時00分更新
全体的にパッとしない「UL Procyon」
続いては、同じUL社の実アプリ系ベンチ「UL Procyon」で試してみよう。まずは「Photoshop」と「Lightroom Classic」を実際に動かす“Photo Editing Benchmark”を試す。
第12/第13世代CoreのスコアーはRyzen 7000シリーズほど伸びていない。特に、Photoshopをメインで使うImage Retouching(オレンジ)は、明らかにRyzen 7000シリーズのほうが高くなっている。
Lightroom Classicのみを使うBatch Processing(グレー)では、Core i5-13600KがRyzen 5 7600Xをやや超えている程度の白星は挙げているものの、上位モデルはRyzenのほうがスコアーを稼げている。CINEBENCH番長を奪還した第13世代Coreといえど、このように伸びないケースもあるのだ。
続いて、Office 365を動かす“Office Productivity Benchmark”を試す。
こちらはテストにより勝ったり負けたりが入り乱れ、総合トップはCore i9-13900Kが辛うじて死守したような形。第13世代CoreはWord(オレンジ)において比較的高スコアーを出しているが、Excel(グレー)やOutlook(水色)はRyzen 7000シリーズに劣るケースが多い。こちらも甲乙付けがたい感じがする。
上位モデルは消費電力と発熱に注意
では、気になる消費電力の検証をしよう。システム起動10分後の安定値をアイドル時、「Handbrake」で4K/60fpsの動画を“SuperHQ 1080p30 Surround”でエンコードしている最中の安定値を高負荷時とし、ラトックシステム「RS-WFWATTCH1」で計測する。
やはり、Core i9-13900Kの消費電力が突出して高い。処理開始直後には、ほんの一瞬だけだが483Wにまで到達する。同様にCore i7-13700Kも368Wに到達するが、すぐにグラフの値に落ち着くといった動きを見せた。クロックやMTPを盛ったために、消費電力が激しく増加した点は残念と言わざるを得ない。
Core i9-12900KSは時間の都合上検証に加えることができなかったが、この消費電力テストだけ通してみると、高負荷時は423W程度となるはずだ。Core i9-13900Kの消費電力は、前世代の“スペシャルエディション”をも凌ぐのだ。来年早々に発表と予告されている6GHz動作版の消費電力は、一体どこまで上がるのだろうか……?
ここまで消費電力が高いと、当然発熱量も大きくなる。次の図はCore i9-13900Kの消費電力計測中に「HWiNFO Pro」を利用してCPUの状態をチェックしたところだが……。
ご覧の通り、CPUパッケージ温度は100℃、8基のPコア中6基にサーマルスロットリングのフラグが立っているが、Eコアには立っていない。この傾向はCore i9-13900Kで観測され、Core i7-13700KおよびCore i5-13600Kでは観測されなかった。
第13世代Coreは高い性能と引き換えに、より高い消費電力と発熱を許容した製品であることが分かる。実際に運用する際には、MTPは無制限ではなく、ある程度絞るほうが扱いやすくなるだろう。
次回はゲームパフォーマンスのベンチをお届け
第13世代Coreの検証はまだ続くが、前編はここまで。後編では、ゲームパフォーマンスを中心とした検証の結果をお見せしたい。
(後編:ゲームでRyzen 7000と対決!Core i9-13900K/Core i7-13700K /Core i5-13600K速攻レビュー【後編】)
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