みなさん、こんにちは!
横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。
第19回は「アクアミュージアム」で魚類を担当する森田為善がお伝えします。
前回の記事はこちら。
■レッサーパンダの双子の赤ちゃんが誕生しました!
※過去の連載記事はこちら:横浜・八景島シーパラダイスの飼育員生きもの日記
今回ご紹介するのは迫力満点の「シロワニ」。
アクアミュージアム3階の薄暗い水槽を堂々と泳いでいるシロワニ。
恐ろしい風貌はまさにサメ!という印象を与えてくれます。
成長すると体長3メートルを超える大型のサメです。
自然界では洞窟などを好んで生息するため、水槽も薄暗い演出にしています。
サメなのに「ワニ」とつくのは、昔サメのことをワニと呼んでいたことの名残だといわれています。
1999年に横浜・八景島シーパラダイスへやってきて以来、20年以上3頭で飼育していましたが、2021年に同じ神奈川県の水族館から1頭がお引越ししてきました。
現在はオス2頭、メス2頭を飼育しており、繁殖に向けた取り組みを行っています。
発情期にはオスがメスに噛みついて交尾をするため、メスのヒレがぼろぼろになっていることもあります。
餌は水槽の上から、サバやシイラ、イカなどを棒につけて与えます。
暗い水槽ですが、しっかり見分けて食べた餌をカウントしているんですよ。
歯は大きく尖っていて、獲物を捕まえるのに適した形をしています。
この歯は定期的に抜け落ちて生え変わるため、水槽を探すと抜けた歯が落ちているかもしれません。
シロワニと他のサメの泳ぎ方を比べると、ある特徴があります。
それは、泳ぎがとてもゆっくりしていることです。
実は、シロワニは胃の中に空気を飲み込んで浮力を調整しています。
これは、洞窟などの狭い場所で、あまり動かずにじっとしていられるよう進化したのだと考えられています。
水槽でも、空気を吸うために水面へ上がることがあります。
こんな大きくて怖い顔のシロワニですが、実は日本でも小笠原諸島に生息しています。
冬になると、漁港の中まで入り込んでくるため、水深の浅いところでもシロワニを見ることができます。
顔は怖くても性格は大人しく、水槽へ潜っても襲われたことはありません。
迫力満点のシロワニをぜひ見に来てください。
横浜・八景島シーパラダイス
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