GIGABYTE「X670 AORUS ELITE AX」はRyzen 7000シリーズ自作の良き友だ!
高負荷時のVRM温度をチェック
最後にX670 AORUS ELITE AXは、本当にRyzen 9 7950Xのフルパワーを支えるのに足る実力を持っているのか検証しよう。今回はGIGABYTEより360mmのAIO水冷やSSD、ビデオカード(RTX 3090)もお借りした。
ただし、メモリーはEXPO対応の高クロックモデルがないとのことなので、G.Skill製のモジュールを使用している。検証環境は以下の通りで、バラック組みとなる。
【検証環境】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 7950X」 (16コア/32スレッド、最大5.7GHz) |
CPUクーラー | GIGABYTE「AORUS WATERFORCE X 360」 (AIO水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | GIGABYTE「X670 AORUS ELITE AX」 (AMD X670、BIOS F5d) |
メモリー | G.Skill「F5-6000J3038F16GX2-TZ5N」 (16GB×2、DDR5-6000動作) |
ビデオカード | GIGABYTE「GV-N3090GAMING OC-24GD」 (GeForce RTX 3090) |
ストレージ | GIGABYTE「AORUS Gen4 SSD 1TB」 (1TB M.2 SSD、PCIe 4.0) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(21H2) |
今回はCPUを定格で回した状態と、PBOを利用して軽くOCした状態それぞれで「Prime95」の“SmallFFT”を15分程度回し、その間のVRM温度を追跡する。温度情報は「HWiNFO Pro」を使用した。
CPUの電源回路の冷却に高層建築のようなヒートシンクを使っているだけあり、アイドル時のVRM温度は40℃台後半。CPUに負荷をかけると徐々に温度が上昇するが、定格なら15分後に58℃、PBOで簡易OCした状態で60℃にとどめていた。
機材はバラック組みで検証しているため、PCケースに入れるともう少し高くなる可能性はあるが、X670 AORUS ELITE AXはRyzen 9 7950Xのフルロードを支えるには十分な冷却性能を備えているといえるだろう。
Ryzen 7000マザーボードは高いが、高いなりのポテンシャルはある
簡単ではあるが、X670 AORUS ELITE AXのレビューはこれで終わりだ。X670EマザーボードはヘタをするとCPUより高価な価格設定になっているが、その理由のひとつはPCI Express Gen5サポートを徹底するため回路設計をリッチにせざるを得ないという点にある。
ただPCI Express Gen5の本格普及はまだ先であり、DirectStorage for Windowsが利用可能になったとしても、PCI Express Gen3でも十分な効果が得られるとされている。その点を考えると一部がPCI Express Gen4対応になるX670でも十分Ryzen 7000シリーズのエッセンスは味わえるといえる。
近日登場するB650E/B650マザーボードのハイグレードモデルも気になるかもしれないが、やはり上位グレードのチップセットを使いたい、と考える人にはX670 AORUS ELITE AXは良いチョイスといえるだろう。
(提供:日本ギガバイト株式会社)