残暑もやわらぎ今年も「中華まん」の季節に少しずつ移行していきます。コンビニ各社では8月後半から中華まん新作を打ち出してきました。
さて、コンビニ各社ではスタンダードな肉まんの他、セブン-イレブン「大入り豚まん」、ローソン「特撰肉まん」など、少し高価な商品も揃えています。価格差がありますがいったい中身は何が違うのでしょう。今回は、ファミリーマートが開催したメディア向け説明会でファミマの中華まん事情をきいてきました。
「黒豚まん」はファミマの中華まん2位
ファミリーマート9月6日から、198円とややリッチな価格帯の「極旨 黒豚まん」を販売開始。この「極旨 黒豚まん」は2019年から定番で登場し、2021年には「ジューシー本格肉まん」(140円)に次ぐ中華まん売り上げ2位を記録しています。
「極旨 黒豚まん」の前身は、2013年にスタートした「ファミマプレミアム肉まん」。そこから毎年リニューアルを重ね、2019年に「極旨 黒豚まん」として販売されました。翌年の2020年には売り上げ3位に躍り出て、2021年にはついに不動の2位であったピザまんを抜くまでに成長を遂げました。2019年と2021年を比較した売り上げの伸長率はおよそ2倍。
198円とコンビニの中華まんとしては高価なのに、ここまで支持されているとはちょっと意外ではないでしょうか。売り上げの伸長には、コロナ禍による巣ごもり需要の増加、プチ贅沢需要の高まりが背景にあるとみられています。
また、購入の時間帯にも特徴があって、中華まん全般は午前7時~9時の出勤、朝食時間帯が多いところ、「極旨 黒豚まん」はお昼の購入動向が強いそうです。
肉まんに対して具材重量1.4倍、カットサイズは1.3倍
では、ふつうの肉まんと比べて何が違うのでしょう?
中具は、うまみ成分が高い鹿児島県産黒豚を100%使用し、さらに、みずみずしさと甘みが特徴の淡路島産玉ねぎを採用。アルペンザルツ岩塩を具材に使用することでお肉の旨みを引き出す工夫をしています。
お肉のゴロゴロとしたカットも特徴だそうで、カットサイズはファミリーマートの肉まん史上最大だとか。
今年は中具は昨年と変えず、生地の配合を変更。小麦粉の一部に石臼挽き小麦粉を使用とすることで、もっちり・しっとりとした食感を引き出し、小麦の甘みと旨みを感じる風合いにもこだわったそうです。
ファミリーマートの「ジューシー本格肉まん」と比較すると、具材重量比は約1.4倍、肉のカットサイズは約1.3倍。生地も、通常の肉まんがふんわり口どけのよい食感を目指しているのに対して、黒豚まんはもっちりひきのある食感と、目指す質感が異なります。
なるほど、「何が違うの?」という問いに対しては、具も生地も重量も「全部違う」が正解のようです。
ひとつで満足できるボリュームが魅力
あらためて今年ヴァージョンの「極旨 黒豚まん」を実食。手にもつとずっしりしていて、中華街顔負けのボリューム感です。割ってみると、ご覧ください。大粒のお肉がぎっしり。かじりつくと、玉ねぎの柔らかい甘みをまとった、ゴロゴロした豚肉のジューシーな旨みが飛び込んできます。
味付け自体は、お塩がきいていてあっさり。よくある中華まんはしっかりした濃い味付けであるのに対して、素材のよさをいかして上品な味付けになっています。もっちりと厚みある生地がお肉の旨みを受け止め、一口ごとに満足いく食べごたえです。
家にある醤油、からしをつけて食べてもおいしいですね。
これは、コンビニ各社に共通しますが、通常よりひとまわり大きいサイズの肉まんを用意してくれていると、食事として食べたい時に助かります。ふつうの肉まんだとサイズ的に小さいので、おやつとしてはいいけど食事としては物足りないんですよね。「極旨 黒豚まん」も大きいのでお腹にたまってオッケー!
各社の高級肉まんに期待
というわけで、ふつうの肉まんよりもちょっと高いけどボリューム感、質感ともに満足度が高いです。個人的には黒豚まんにピザまんが抜かれていたことにショック。ピザまん、おいしいのに……。
今年も各社から高級ラインの中華まんや、変わり種中華まんがどしどし出てくるでしょう。アツアツの中華まんほおばる幸せな瞬間を思い浮かべると、秋が深まるのも楽しみになってきますね。
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