メルマガはこちらから

PAGE
TOP

小中学校向けの早期起業家教育がいま必要な理由。体験から身につける非認知能力

「小中学生向け起業家教育プログラム」事業説明会をオンラインで開催

1 2

令和4年度の起業家教育プログラム実施事例

 説明会の後半では、令和3年度に採択され、本年度にプログラムを実施する2校の取組を紹介した。

成城学園初等学校

 成城学園初等学校は、令和4年の9月から15時間の授業でプログラムを実施予定だ。対象クラスは、小学5年生の36名。テーマは「成城をPRするグッズをつくる」に設定し、2学期からの授業へ向けて準備を進めている。

 5年生を担任する秋山貴俊先生によると、同校の児童の課題である「最後までやり抜く力が弱い」、「見通しを持って物事を進める力が弱い」といった能力を伸ばすために起業家教育が有効と感じたことをプログラムへ応募した理由として挙げた。

 プログラムの魅力として、しっかりとヒアリングをしてカスタマイズしてくれる、指導案やワークシートをすべて用意してくれる、気軽に相談できるといったサポートの手厚さ、地域の起業家や本物の銀行の方が来校して融資の体験ができること、保護者からの期待度の高さ、これらがすべて無料で実施できることを挙げた。

江東区立第二砂町小学校

 江東区立第二砂町小学校では、小学校5年生87名を対象に「学校の良さを広めるグッズをつくる」というテーマで、8月~11月中旬の21時間でプログラムを実施予定だ。

 副校長の宮崎真砂美先生からは、管理職としての立場から起業家教育プログラムを授業に取り入れるためのポイントを2つ紹介した。

 まず、管理職側から現場の教師に、起業家教育の授業を提案する場合のポイントは、実施する学年や授業時間を用意することを挙げた。新しい授業をカリキュラムに組み込む場合、実施する学年や時間を検討する必要があるが、同校ではこれまで5年生の授業として、オリンピック・パラリンピック教育を35時間確保していたため、今後短縮される同授業時間を起業家教育に当てることで組み込むことができたという。

 次に、一般の教師から管理職に提案するためのポイントも同様に、総合的な学習の時間のカリキュラムを整理し、今まで長くとっていた授業を短縮して、起業家プログラムを入れる、といった具体案を提示すると受け入れやすいとのこと。また「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで動く力」といった起業家教育の学習効果を校長先生などに説明するといい、とアドバイスした。

 上述の通り、令和4年度のプログラム実践校10校は11月末まで、起業家講演の実施支援(出前授業)を令和5年1月まで募集中。プログラム等への応募に限らず、起業家教育に興味はあるが取り組み方がわからない、といった質問や相談も随時受け付けているという。

「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」配信のご案内

ASCII STARTUPでは、「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」と題したメールマガジンにて、国内最先端のスタートアップ情報、イベントレポート、関連するエコシステム識者などの取材成果を毎週月曜に配信しています。興味がある方は、以下の登録フォームボタンをクリックいただき、メールアドレスの設定をお願いいたします。

1 2

合わせて読みたい編集者オススメ記事