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Windows Info 第339回

この先、Windowsはどうなる? 2024年にWindows 12が登場する可能性がある?

2022年08月07日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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 Windows 11の最初のアップデートがもうすぐだ。今回は、今後のWindowsのアップデートサイクルについて考えていくことにする。

Windows 11 Ver.22H2のプレビュー版は、5月にビルド22621が出たあとは、8月2日まで小数点以下のアップデートのみが続く。なお、アスタリクスのついたビルドには、新機能を有効化したビルド「22622」(小数点以下は22621と同じ)が同時に配付されている。写真はMicrosftのフライトハブ(https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-insider/flight-hub/)のもの

3年ごとのメジャーアップデートから半年周期に
さすがにサイクルが短すぎたか、1年になった

 Windows 10が登場するまで、Windowsのメジャーアップデートサイクルは3年だった。

 Windows Vista以降、Windows 10が登場するまで、7、8、10と3年周期でメジャーバージョンアップがなされてきた。しかし、今の時代に3年は長すぎる。インターネットを始めとするWindowsを取り巻く状況やユーザーニーズの変化に追従しきれない可能性が高い。そもそもAndroidやiOSなど、スマートフォンの世界ではバージョンアップは1年単位である。

 こうした問題に対応するため、Windows 10では2017年以降、大胆にも半年周期の機能アップデートサイクルを採用した。実際には、2015年には最初のWindows 10(TH1)とアップデート(TH2)が出ており、2016年はRS1こと「Aniversary Update」に手間取ったというのが本当のところかもしれない。

 そうして半年ごとのアップデートになったWindows 10だが、その後の状況を見ると、多数の新機能を取り込んだものの、すぐに廃止というパターンが少なくなかった。どうも、Microsoftは新機能を「盛り込みすぎる」きらいがある。

 たとえば、2017年のCreators Updateでは3Dを重視し、HoloLensなどの3D関連機能が複数入ったが、今ではその影もない。同じように、Windows TimeLineやCortanaなど、華々しく発表しておきながら、終息させた技術もある。とはいえ、半年のアップデートは、多数の機能を追加する「タイミング」を作っていたとも言える。

 また、Windows 10リリース時の表現では、Windows 10はずっとアップデートし続けるということだったが、結局は6年で終了。昨年登場したWindows 11と交代した。Windows 10は、2025年までサポートされるが、今後大きな機能拡張は期待できないし、アップデートサイクルも1年になった。さすがに半年では、搭載すべき機能を絞り込んだり、洗練させる時間もない。CPUなどの製品サイクルを考えても1年が妥当な線なのだろう。

気になるWindows 11の今後とその次
2024年にもWindows 12が出る可能性がある?

 Windows 11では、初めてCPUの世代による“足切り”が実施された。大まかにインテルの第8世代相当のCPUであることが求められた。実際には、それ以前のCPUでもアップグレードはできるが、ユーザーが障害発生などのリスクを負う形になっている。このとき同時にWindows 10の対応CPUも明確になり、リスト化された。

 Windows 10では、Windows 7からの無償アップグレードがあったため、相当に古いマシンでもWindows 10にアップグレードすることができた。Windows VistaやWindows 8といった「人気がない」バージョンが出てしまったことで、PCハードウェアとWindowsのバージョンの関係がかなり複雑なものになっていたという要因もある。Windows 11にはこれを正常化させ、対応が困難な古いCPUをWindows 10に止めておくという役割があるのだと考えられる。

 Windows 10は6年という長い期間、「最新バージョン」であり、旧世代からのアップグレードを含めると、ハードウェアのバリエーションが多い。となると、ボックスドライバーなど、対応すべき項目も多く、おそらく開発工数が増えているのだと思われる。

 Windows 11ではここを足切りすることで、古いCPUをサポート外とした。またディスプレイドライバーであるWDDMのバージョンも3.0とした。いくつかの機能がWDDM 3.0を要求する。最近のCPUは、大多数がGPU内蔵であるため、こうした部分でも古いCPUが排除される。

 インテル側でも、2020年にリリースされた第10世代以前のCPU内蔵グラフィックスを「レガシー」扱いとして、緊急性のあるセキュリティアップデート以外の更新を止めている。第10世代のGPUは、ちょうどWindows 11の前年、つまりWindows 11プレインストールマシンの最低ラインにあたる。2020年にはWindows 10のDirect Xが12 Ultimateとなり、翌年にWindows 11(WDDM 3.0)が登場している。

 Windows 11もアップデートサイクルは1年。Windows 10は、なんだか年中アップデートしていた印象だが、回数が半分になり、アップデートに要する時間も短縮されたため、Windows 11はかなり落ち着いた感がある。今秋のWindows 11 Ver.22H2は、これまでのWindows 10と同じく、日々のアップデートで段々と更新されていき、最後に「イネーブラー」が配付されることで、新機能が有効になるというパターンのようだ。

 すでにWindows Insider Programで配付されるプレビュー版では、機能が無効化されているバージョンと有効化されているバージョンの配付がなされている。つまり、Windows 11に合わせてCPU/GPU世代間の違いを明確にしようとしているわけだ。

 そしてWindows 10のサポート期限が2025年と設定されていることから考えると、3年周期のアップデートに戻す可能性もあるのではと想像する。というのも、Windows 11(2021年)の3年後である2024年がWindows 10終了の前年にあたり、買い換え需要が想定できるからだ。そして、このとき、Windows 11と同じようにアップグレード可能なCPUがリストで明確化される。Windows 11登場時に出荷されたインテルの第11世代あたりが、最低限のラインになるのではないだろうか?

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