グーグルがFitbitのブランドから提供するフィットネスとヘルスケアの有償サブスクリプションサービス、Fitbit Premiumに「睡眠プロフィール」を追加した。ユーザーの睡眠パターンを追跡しながら、獲得したデータをもとに睡眠による健康の保持増進を支援する新機能だ。
日本でも提供が始まった睡眠プロフィールの特徴を、グーグルでFitbitのヘルスソリューションを担当するSteve Morley氏がメディアに向けて説明した。
睡眠の「質」を高めることに着目した新機能
睡眠プロフィールはFitbitのスマートウォッチ「Sense」「Versa 3」「Versa 2」、およびリストバンド型のトラッキングデバイス「Charge 5」「Luxe」「Inspire 2」 の各シリーズに対応する。Fitbitアプリを通じて、Premiumサービスのユーザー向けに7月上旬から提供を開始した。
デバイスを身に着けたままひと月に最低14日間以上眠ると、センシングにより獲得したデータを元に、Fitbit独自のアルゴリズムがユーザーの睡眠時間や睡眠の「質」を評価する。さらに毎月1日にはFitbitアプリを通じてユーザーの睡眠分析に関するデータをまとめた「睡眠プロフィール」がアプリに届く。
プロフィールに並ぶデータは熟睡までの時間、深い睡眠が取れていた時間、睡眠の乱れなど主な10項目に及ぶ。各項目のデータは、Fitbitの研究チームが1000種類にわたる睡眠の項目について分析を重ねた結果を元に、特徴を絞り込んだ結果を表示する。ほかのFitbitユーザーと比較した場合の睡眠傾向も、グラフに可視化される。
ユーザーの「睡眠タイプ」を6種類の動物に例えて評価する機能もユニークだ。それぞれの動物はユーザーの睡眠行動とパターンに関連付けられている。
例えば「クマ」は睡眠スケジュールが一定で熟睡できるタイプ、「ハリネズミ」は遅寝早起きで全体的に睡眠時間が短いタイプのユーザーを類型化したシンボルだ。グーグルのMorley氏は「ユーザーの睡眠時間だけでなく、睡眠の質も判定しているところが睡眠タイプのアルゴリズムの特徴」なのだと説く。
睡眠プロフィールが開発された背景には、睡眠の「質」にこだわることの大切さをユーザーに気付かせ、行動変容を促す狙いがあるという。ユーザーの睡眠タイプを明らかにした後も、アプリからは睡眠に関する各指標の月別集計表、自分の年齢層における標準的なデータとの比較が参照できる。改善の余地があるポイントについては具体的なアドバイスも提供される。