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持続可能な社会貢献も 人生が変わるNFTゲームの概念

かーずSPが聞くデジタルコンテンツスタートアップの最前線 Digital Entertainment Asset Pte. Ltd.共同CEO 山田耕三氏インタビュー 前編

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「Play to Earn(プレイトゥアーン)」=「ゲームを遊ぶと、お金が稼げる」という、ブロックチェーン技術を使ったNFTゲームが注目を集めています。そこでゲーム内のお金を暗号資産に変換して、日本の円にトレードできるカードゲーム『JobTribes』を運営するDigital Entertainment Asset Pte. Ltd.の共同CEO・山田耕三氏に話を伺いました。

 いったい、どういうカラクリでゲームのプレイがお金になるのか。お金を稼ぐことでゲーム体験はどう変化するのか。さらにNFTアートを販売して、著作権者にロイヤリティを還元できるという話もあり、新たなクリエイターの収益として期待できるのか、などお訊きしています。

ゲーム内で手に入れたお金が、自分のお金に変わる!?

───国内で唯一、日本円に換金できるプレイトゥアーン「JobTribes」、NFTゲームとはなんでしょうか?

山田耕三氏(以下、敬称略):僕はテレビ東京に15年勤めたあとに円満退社して、そのままテレビ東京の番組を引き継ぎながら、一緒に起業した吉田(吉田直人氏、Digital Entertainment AssetのCEO)と何をしようかとディスカッションしていました。ちょうどその頃、2017年に『CryptoKitties(クリプトキティーズ)』というネコを育成させるNFTゲームが、高額で取り引きされて話題になっていて、「これだ! 俺たちならもっといける! もっといいプロジェクト作れる!」と参入したという流れです。

───TV番組の制作からIT産業、それも出たばかりのNFTゲーム……ずいぶんと飛び越えたのには理由があったのでしょうか?

山田:テレビ東京時代から、ネットとエンターテインメントを融合させる番組を企画プロデュースしていたこともあって、ブロックチェーン技術には強い興味がありました。NFTゲームは2018年以降、「My Crypto Heroes (マイクリプトヒーローズ」「CryptoSpells(クリプトスペルズ)」などが出てきています。ですがこれらは、ゲーム内のアイテムがNFTになっていて、それを売買して利益を得るというシステムなのです。

───NFTはデジタルの鑑定書をつけることでデジタルデータを所有することを可能にした技術ですね。

山田:はい。よくRPGとかで、ゲーム内でもお金が出てくるじゃないですか。

───ゴールドとかギルとかルピーとか、ゲーム内通貨がありますね!

山田:弊社のNFTゲーム第一弾「JobTribes(ジョブトライブス)」ではゲーム内通貨をPALEcoinと呼んでいるのですが、ジョブトライブスを遊ぶと手に入るPALEcoinを、DEAが発行する独自の暗号資産DEAPcoin(ディープコイン)に変換して、そのまま日本円にトレードできます。2022年1月にDEAPcoinが日本の取引所にも上場しまして、日本の円に交換できるPlay to Earnは、現段階(2022年6月現在)ではジョブトライブスだけなのです

───ゲームを遊んでいて「これが現実のお金だったらいいのに」って妄想していたことが、実際に可能になっているのですね。今、無課金でプレイしているのですが、効率的にお金を稼ぎたい時はどうすればいいんでしょうか。

山田:無課金でゲームを始めた人が、もっとゲームを楽しみたい、もっと稼ぎたいとなった場合、ジョブトライブスでいうとNFTカードを買うのが近道です。

───ゲームにハマって、課金アイテムを買うのは普通のゲームと同じ流れですね。

山田:そうです。でも売っているアイテムに資産性がある点が、従来のゲームとは異なるのです。課金アイテムが高級腕時計であり、車であり、マンションだとしたら、買って運用しようという概念が起こります。そうしたゲーム事業とフィンテック事業が融合されている姿がNFTゲームの特徴です。

「GameFi 2.0」の時代、これからのゲームは持続可能性が求められる

───でも遊ぶユーザー数が多いほど、ジョブトライブス内でPALEcoinを配ることになって、会社が赤字になるのでは?

山田:なぜお金を配れるのかというと、これはもうシンプルにインがアウトよりも多くて、利益の一部をユーザーに分配しているからなのです。ゲーム事業は利益率が高いのですが、その高い利益率の一部を切り出して、プレイトゥアーン報酬にしています。そのため、既存のゲームよりは利益率が断然低い。ただし既存のゲームよりも、遥かにスケール感が大きいので、結果的に利益額でいうと、より多くなる仕組みです。今までのゲームに登場するアイテムって、すべて掛け捨てが当たり前でしたよね?

───そうですね、RPGで剣や鎧を買っても、ゲーム内で使うだけでした。

山田:ですがゲームアイテムを買う時に、掛け捨てで購入するか、投資して他のプレイヤーに売却できると思って買うのとでは、動くお金の桁数がひとつ変わるのです。iPhoneから自動車まで、下取り価格を考えて買う人は多いですし、マンションに至っては、住んだ後に売却して儲けようって人までいる。そういう場合、財布から出すお金のケタが1個増えるのです。

───だから大きな市場規模になって、利益率が低くても利益額が増えるようになっていると。

山田:2021年、世界のコンピューターゲーム市場は20兆円を突破しました。それでも今は、みんな掛け捨て100%でゲームソフトやアイテムにお金を払って、ゲーム体験を買っています。それがGameFi2.0では、ケタがひとつ増えて200兆円になる可能性を秘めています。さらにゲームを通じて自分が豊かになる、誰かの人生が豊かになる、自分が世界を変えている、という自負を得られます。

───どういうことでしょうか?

山田:ビジネスモデルの中に、持続可能な社会貢献がすでに入っています。今までのように、たくさん儲けて富を築いた後に「財団でも作って社会に良いことをしましょうか」ではなく、事業体の中に、仕組みとして社会的貢献が組み込まれているのです。その方がいいし、これからの産業はそうじゃないといけないと思います。

───具体的には?

山田:サービスインして2年間で、ジョブトライブスを通じて得た報酬を学費に当てたり、結婚式の足しにしたり、生活が豊かになった人たちが増えています。

山田:このフィリピンの女性は、ゲームで稼いだお金で息子さんにモニターを買ってあげられたそうです。単純に「寄付金がもらえた」という話ではなく、ゲーム内で雇用されて、自分が働いて、がんばった報酬として対価をもらっています。それって健全で、持続可能性がありますよね。

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