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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第40回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2022年7月16日~7月22日

首都圏単身者のランチ代「500円以下」が5割、CSPM市場が急成長、TVはもはや動画配信用?、ほか

2022年07月25日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2022年7月16日~7月22日)は、TV購入者の活用用途の変化、クラウド設定ミス防止ソリューション(CSPM:Cloud Security Posture Management)市場、メタバースが後押しするVR/AR-MR市場、首都圏単身者の“懐事情”についてのデータを紹介します。

■[トレンド]TVの活用用途:地上波利用は減少、動画配信サービスは増加(GfK Japan、7月21日)
・TVの活用用途における「地上波・BS・CSの視聴・録画」は減少
・すべての世代で「動画配信サービスの視聴(無料・有料含む)」が増加
・動画配信サービス利用者の60%がTV買い替えで50インチ以上を選択

 テレビ購入者を対象に、購買行動と使用実態について調査した。コロナ前の2019年5月と2022年5月を比較すると、テレビの活用用途について「地上波の視聴・録画」と回答した人は全世代で減少し、平均すると2019年の88%から77%となった。一方で「動画配信サービスの視聴」は全世代で増加、特に40代が2019年の33%から2022年には47%と増加した。また、買い替え時にはこれまでより大きな画面サイズを選択する傾向があるという。動画配信サービス利用者の60%が50インチ以上のTVを選択、地上波利用者は49%だった。

TVの活用用途。「地上波視聴」は減少(左)、「動画配信サービス」は増加(右)(出典:GfK Japan)

買い替え時には画面サイズがアップする傾向も報告している(出典:GfK Japan)

■[クラウド][セキュリティ]クラウド設定ミス防止ソリューション(CSPM)市場が活況、2020年は前年から3倍以上を予想(アイ・ティ・アール、7月21日)
・クラウド設定ミス防止ソリューション(CSPM)市場は2020年、前年から3.3倍に
・クラウド利用の増加により設定ミスによる情報漏洩などのインシデントが増加
・2020年から2025年までのCAGR(年平均成長率)は48.5%

 クラウド利用時の設定ミスで情報漏洩やアクセス不能になることを防ぐ「クラウド設定ミス防止ソリューション(CSPM:Cloud Security Posture Management)」国内市場についての調査。クラウドの利用増加もありCSPM市場は急成長、2020年の売上金額は3億6000万円を見込む。これは2019年の3.3倍という。ITRでは、2020年から2025年までCAGR(年平均成長率)48.5%で成長し、2025年には26億円に達すると予想する。

クラウド設定ミス防止ソリューション市場予測(出典:ITR)

■[セキュリティ]マルウェアトップは5カ月連続でEmotet(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ、7月21日)
・「Emotet」が5カ月連続でトップに。2位は「Formbook」、3位は「Fujacks」
・Emotet変異種も確認、Chromeブラウザを標的にクレジットカード情報を窃取
・モバイルでは、Androidを狙うAlienBotがトップ

 チェックポイントの脅威インテリジェンス部門チェック・ポイント・リサーチがまとめた6月度「Global Threat Index(世界脅威インデックス)」より。国内ランキングではEmotetが1位、2月から5カ月連続のトップ。日本企業への影響は3.36%と落ち着いているが、Chromeブラウザを狙う変異種が確認されたという。グローバルでもEmotetはトップのマルウェアとなっている。

■[AE/VR][メタバース]メタバースが後押し、VR/AR/MR市場は2028年、2021年の11倍に(フロスト・アンド・サリバン・ジャパン、7月22日)
・仮想現実(VR)、拡張複合現実(AR-MR)市場は2021年145.5億ドル
・2021年から2028年までのCAGRは40.9%
・VR/AR-MRの技術進化でメリットを得るのは「メディア&エンタメ」「産業・製造業」などの業種

 仮想現実(VR)、拡張複合現実(AR-MR)市場は、メタバース領域の開発と資金調達により、VR/AR-MRプロジェクトへの興味・関心と資金調達が拡大するという。2021年の売上高は145.5億ドル、2028年まで年40.9%で成長し、2028年には1601.4億ドルを見込む。実に、2021年の11倍という。恩恵を受ける領域としては、「メディア&エンターテインメント」「産業・製造業」「健康とウェルネス」「教育と研修」など多岐にわたると予想している。

■[生活]首都圏の単身者の“懐事情”、平日のランチ代は500円未満が5割、2割が副業有り、では貯蓄は?(FJネクストホールディングス、7月20日)
・自由に使えるお金は月3~5万円が相場
・8割以上が貯金あり、平均は396万円・ボリュームゾーンは「100万~500万円」
・副業をしている人は21.3%、全収入の1割程度を占める

 首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に住む独身・一人暮らしの男女(20~30代)400人にお金について聞いた。調査期間は2022年6月。自由に使えるお金は3万円が最も多く29.5%、次いで5万円(23%)だった。貯金は84.2%がしていると回答、最も多いのは100万円、(12.5%)。貯金の理由は「いざという時のため」「老後の備え」「旅行、レジャー費用」がトップ3。副業については、21.3%が「している」、男性が25.5%で女性が17%。全収入に副業が占める比率は1割未満が男女ともに40%以上を占めた。

20~30代単身者の貯金額。100万円~500万円がボリュームゾーン(出典:FJネクストHD)

平日のランチ代は「500円以下」が50%を占めた(出典:FJネクストHD)

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