iPhoneとAndroid、モデムの違いか
取材を進めていると、あるAndroidメーカー関係者がこんな話をしてくれた。
「実はうちの会社でも、髙橋社長の発言が気になって調べてみた。やはり、Androidは音声がつながっていないことにはデータ通信ができない。一方で、iPhoneは音声がつながっていなくても、データ通信ができるようだ。
この違いはどうやらモデムに関係するのではないかという仮説を立てているところだ」(メーカー関係者)。
Androidと言えば、日本ではほとんどがチップにクアルコムのSnapdragonを採用している。Snapdragonではチップにモデムが統合されている。例えば、最新で最高スペックの「Snapdragon 8 Gen 1」であれば、Snapdragon X65 5G Modemがチップに搭載されている。つまり、アプリケーションプロセッサとモデムが一体化されている。
一方、iPhoneは、アプリケーションプロセッサはアップルが自前で設計している。iPhone 13シリーズであれば「A15 Bionic チップ」が搭載されているが、モデムはA15 Bionicチップとは別となっており、分解記事によればクアルコム「Snapdragon X60 5Gモデム」が搭載されているとしている。
メーカー関係者は「AndroidはSnapdragon 8 Gen 1などアプリケーションプロセッサとモデムが統合されている。一方で、iPhoneはアプリケーションプロセッサとモデムが別構成となっている。つまり、iPhoneではモデムがルーターのように動作しているため、今回の通信障害の影響を受けなかった可能性がある」というのだ。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第202回
スマホ
ソフトバンク、ドーム球場でも通信速い ただし「ミリ波」の活躍はかなり先 -
第201回
スマホ
ソニー「Xperia 1 VI」はこだわりから“現実路線”に変わった -
第200回
トピックス
楽天モバイル 契約は絶好調だが、黒字化にはテコ入れが必要だ -
第199回
iPhone
アップル新型「iPad Pro」実物を見たら欲しくてたまらなくなった -
第198回
トピックス
ドコモ新社長は“経済圏”拡大より、ネットワーク品質とショップ網の再構築を最優先すべきだ -
第197回
トピックス
なぜソフトバンクやKDDIのネットワークは強いのか 「2.5GHz帯のTD-LTE」最強説 -
第196回
トピックス
F1の裏に“レノボ”あり 500TBのレースデータを高速処理 -
第195回
トピックス
格安スマホ、キャリアより「シンプルで安い」とふたたび注目 -
第194回
トピックス
中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負 -
第193回
トピックス
ドコモが狙う“スマホの次“ iPhoneから「Vision」の時代へ -
第192回
トピックス
KDDI「povo」世界進出へ “黒子に徹する”新ビジネスとは - この連載の一覧へ