業務を変えるkintoneユーザー事例 第140回
kintone hiveが初めて札幌に! トップバッターは新入社員によるkintoneの定着がテーマ
RPG感覚でいざ業務改善の旅に!新入社員だからこその気づきでkintone活用を深める
2022年07月11日 10時00分更新
6月16日、「kintone hive 2022」の第4弾が札幌で開催された。kintone hiveはkintoneのユーザー事例を共有しあうイベントで、優勝した企業は「kintone AWARD」に進出する。実は札幌でのkintone hive開催は初。会場はライブハウス「cube garden」で、他の会場と比べるとちょっとキャパは狭めだった。その代わり会場は満席で熱気がスゴイ。
最初に登壇するのはアポロ販売 総務部の長谷川亮太氏。「kintoneが導入されているのに電子化だけでは終わらせない!kintoneアプリによる業務改善」というテーマでプレゼンしてくれた。
kintoneとGaroonを導入済み もっと業務改善にチャレンジしたい
長谷川氏は現在25歳。出身は道東の遠軽町というところで、新卒で横浜に行き、システムエンジニアとして3年勤務。その後、2019年に札幌のアポロ販売にUターンしてきた。趣味はゲームで中でもドラゴンクエストが大好きとのこと。
アポロ販売は創立52年目で、LPガスや灯油などの燃料販売を主に手がけている。従業員数は45人で、平均年齢は45歳とやや高めだ。組織構成は、営業部と工事を担当する住設部、そして長谷川氏が所属する総務部となっている。
アポロ販売では2016年にkintoneとGaroonを導入済み。長谷川氏が入社した時点で、すでに多数のアプリが運用されていたという。
「kintoneを使ってみると、操作が簡単で便利だなと感じました。一方で、アプリと聞いただけで、前職のシステムエンジニア時代に苦労したアプリ作成が頭をよぎりました。簡単に作るなんて無理、やばいやつが現れたと先入観を持ってしまいました。そんなある時、上司からkintone Caféに参加してみないか、とお誘いを受けました」(長谷川氏)
kintoneのイベントに参加し、色々な講演を聞くにつれ、プログラミングができなくても、アプリを作成して、業務改善に取り組んでいる人がたくさんいることを知った。そして自分も業務改善にチャレンジしたいという想いがわき上がってきた。
「座右の銘はドラゴンクエストの生みの親である堀井雄二氏の『人生はRPG』という言葉です。人生もロールプレイングで自分が動かないと何も進まない、というこの言葉を教訓に、人生を歩んできました。札幌の学校から新卒で横浜に就職したのも、今回のkintone hiveという大舞台で発表するのも、自分から主体的にイベントを起こしたいと思ったのがきっかけです」(長谷川氏)
電子化されたデータの管理方法が紙媒体と大差がなかった
頭の中にドラゴンクエストのオープニングテーマが流れ、長谷川氏は業務改善という冒険に旅立つことになる。まず目を付けたのが、自分で担当している工事指示書の管理だ。
たとえば、LPガスを供給している顧客からストーブの設置や給湯器の交換などの依頼が来ると、営業部が現地確認を行ない、住設部に工事を依頼する。その時に必要になるのが工事指示書だ。工事の内容が詳細に記載されている紙の書類で、営業部から住設部に渡り、工事中に使った部材を追記、工事が完了したら総務部に提出して、総務部が電子化して処理を行なう。そして、電子化したデータは進捗のスタンプを付けてフォルダ分けして保存していた。
しかし、紙での管理は手間と時間がかかる上、電子化したデータも検索しようとするとそのたびに5分くらい待たされるようになっていた。進捗状況が各種フォルダを開いて確認しないとわからないこともあり、最悪の場合、売上の計上から漏れてしまうこともあったそう。
「電子化はしていましたが、管理方法は紙媒体の時と大差がない状態でした。私がこの問題に気づけたのは、面倒くさがり屋だからです。なんで他のアプリのように管理して楽しないのかなと感じていました」(長谷川氏)
他の先輩達は紙の指示書を電子化した時点で満足してしまい、業務改善の余地があることに気づかなかったのだ。入社3ヵ月目の長谷川氏だから気付けたという。
作ったアプリは60%の完成度でリリース
「せっかくkintoneという強い装備を持っているのに、わざわざ『ひのきの棒』を装備してるような状態だなと感じました。このままではいけないと思い、工事指示書を管理するアプリを作成しました」(長谷川氏)
システムエンジニアの頃はちょっと検索したくらいでは情報が出てこないような製品を扱っていたそうだが、kintoneなら少し調べるだけで膨大な情報にアクセスできる。長谷川氏も工事指示書の項目をフォームに落とし込んでいき、短時間で管理アプリを作成することができた。
また、すでに稼働しているアプリとなるべく連携することを心がけた。顧客管理から顧客番号で関連情報を取得するなどして、入力の手間を省き、ミスをなくした。さらに、プラグインを活用して利便性を向上させるとともに、保守性を重視してJavaScriptでのカスタマイズは行なわなかった。
1番の工夫は、あえて60パーセントの完成度でリリースしたこと。入社して3ヵ月しか経っていないので、社内のワークフローを把握し切れていない可能性がある。そのため、まずはリリースし、その後に各部署の意見を取り入れながら、完成させたのだ
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