このページの本文へ

業界人の《ことば》から 第489回

三菱電機が問われる「信頼回復」の道筋、品質・風土・ガバナンスに課題山積

2022年06月13日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

データを中心とした事業成長に取り組む

 統合ソリューションを核においた循環型デジタル・エンジニアリング企業は、データが重要な役割を示す。

 漆間社長兼CEOは、「三菱電機は、幅広い事業領域で様々なお客様とのつながりを持っている。このような多様なお客様に三菱電機の製品を利用してもらうことで生まれたデータをデジタル空間上に集める。そして、このデータを、関係する様々な部門で分析し、お客様自身にも見えていなかった潜在的な課題やニーズを見いだし、新たな価値を創出する。ここでは、アルゴリズムを用いて、リアル空間をデジタル空間上に精緻に再現するデジタルツインによって、リアル空間であるお客様の運用環境を、デジタル空間上に再現し、最適な運用条件を導き出し、これを再度、運用環境に適用することで、安全で、スマートな保守、運用を実現することを目指す。この繰り返しによって、統合ソリューションを進化させていきたい」と語る。

 そして、統合ソリューションを加速するために不足しているコンサルタントを中心に、必要な人材の獲得も進める。

 また、2022年4月以降の新体制として、各事業本部をインフラ、インダストリー・モビリティ、ライフ、ビジネスプラットフォームの4つのビジネスエリア(BA)にわけることを発表したが、ここでも、「ビジネスエリアごとに、お客様から得られるデータをデジタル上で収集し、関連部門でエンジニアリングをしながら、統合ソリューションの提案に結びつけていくことになる」と語る。

 データは、今後の三菱電機の事業成長に重要な役割を担うことを強調する。三菱電機の大きな変化のひとつだ。

 なお、インフラは社会システム事業本部、電力・産業システム事業本部、電子システム事業本部で構成。インダストリー・モビリティはFAシステム事業本部、自動車機器事業本部とし、ライフはビルシステム事業本部、リビング・デジタルメディア事業本部、ビジネスプラットフォームはインフォメーションシステム事業推進本部、半導体・デバイス事業本部で構成する。

 「三菱電機の社員は、事業本部を超えた活動を、これまであまり意識していなかった。新たな体制で、事業本部を超えて、様々な発想をしてもらうことができると考えている」と期待する。

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ