IHジャー炊飯器 NJ-BWD10
本炭釜 紬(つむぎ)
三菱電機
発売日 2022年5月21日予定
想定実売価格 12万1000円https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/suihanki/special/firmer_rice.html
1972年、日本で初めてジャー炊飯器を開発した三菱電機が、50周年フラッグシップモデルを発表しました。その名も「本炭釜 紬(つむぎ)」。硬めのごはんに定評のある三菱がさらなる硬さを追い求めたモデル。もちもちとした硬めのごはんが好きな人にとっては究極の一台となりそうです。
火加減極めて硬さを追求
本炭釜は他社のフラッグシップモデルと違って、圧力を使わないのが特徴。圧力をかけるとお米の甘みや香りは出やすくなりますが、米粒がやわらかくなり、米粒同士がべたつくことがあります。三菱は発熱性がいい炭を原料とした内釜を使い、高火力で一気に炊きあげることで、もちもちと弾力があり、粒立ちが良く、ほのかな甘みがある、しゃっきりとしたごはんを炊きあげます。三菱ではこれを「もち×あま」と表現しています。
新製品は加熱開始からの火力を約23%上げることで沸騰までの時間を短縮し、さらに硬めの炊き上がりを目指しました。
そのとき、ただ強火にするだけでは吹きこぼれてしまうので、内釜に段差をつけることでおねばの泡が割れるようにして吹きこぼれを防いでいます。めんをゆでる段付なべと同じ原理です。
構造上吹きこぼれがおさえられることで、沸騰してからの動作にも違いが出ます。一般的にジャー炊飯器は吹きこぼれを防ぐためにヒーターを切ったり点けたりの間欠運転をしていますが、三菱はヒーターを切らずに連続加熱することができます。蒸らしのときにも沸騰時の熱を逃がさないよう、3枚の断熱材をはさんだ「新・エア断熱 5層」構造を採用。これにより内釜内が熱々のまま蒸らしができるようになっています。
おかずが進む硬めのごはん
そんな工夫で三菱が目指しているのはおかずに合うごはん。強いおかずを中和したり、ほかの食材の風味を引き立たせる味わいを目指しています。
実際にひとめぼれを試食したところ、口に入れたときの主張が強すぎず、おかずに合わせやすい味わいになっていました。粒がきれいで、香りがよく、米粒に弾力があり、ほぐれのいい食感。米粒を噛んだときはしっかりと甘味があり、旨みがよく感じられました。
特に相性が良かったのがてまり寿司。むっちりした米粒が口の中でほぐれる良い仕上がりになっていました。
他社製IHジャー炊飯器で炊いたごはんと食べ比べてみるとその差は歴然。他社製は口に入れた瞬間に強い甘味と香りが広がりますが、全体にやわらかく、粒同士がくっついているところもあります。あくまでも好みの話になりますが、おにぎりなどには三菱のしゃっきりとした食感が合いそうです。
お手入れや機能も一工夫
機能やお手入れのしやすさにも工夫があります。
毎日洗う必要があるのは内釜と内ぶただけ。圧力機構がないのでシンプルです。内ぶたはこれまでよりも約42%軽くなり、洗いやすくなりました。
お茶わんにごはんをよそうときに米粒が落ちてしまいがちなふたの内側は拭きやすいよう凸凹をおさえてフラットな作りにしています。
内釜のフッ素加工は100万回内釜でお米を研いでもコーティングがはがれない仕様。社内で100万回本当に研いで大丈夫だったということ。
また衛生面の配慮として、ふたをあけるボタンにSIAA認定の抗菌加工をしてあるそうです。
機能面で特徴的なのは、早炊きでもおいしくごはんを炊ける「うま早」モード。
炊きたいごはんの量をあらかじめ入力しておくことで沸騰時の火力を調整し、0.5合でもおいしく炊きあがる「少量名人」モード。
ごはんを冷凍してレンジで加熱したときおいしく食べられるように炊きあげる「冷凍まとめ炊き」モードなどがあります。
節約生活の質を底上げ
主な機能はこれまでの最上位機種と同じですが、さらに硬めのごはん好きを惹きつける工夫をこらした新モデル。本炭釜シリーズはごはんの味にこだわりのある30〜50代の現役世代に評価されてきたと言います。お値段も従来と同様の高価格帯ですが、樹脂や炭といった素材の原価高を売価に転嫁していないのは良心的。担当者も「頑張ってます」と苦笑していました。
食料品を含めてあらゆるものの価格が上がる中、高級炊飯器を買うのはなかなか勇気がいりますが、おいしいごはんが炊けるようになればそれだけで生活の質が底上げされ、節約メニューも一層おいしく感じられるようになるかもしれません。硬めごはんが好きな方、この機会にいかがですか。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。5歳児と1歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
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