「PC 1台+外付けドライブ1台」を丸ごと保護、新機能「HelloSignテンプレート」「PDF編集」なども発表

Dropbox、容量無制限の安価なクラウドバックアップ新プラン

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 Dropbox Japanは2022年4月14日、クラウドバックアップ専用の個人ユーザー向け新プラン「Dropbox Backup」と、「HelloSignテンプレート」「PDF編集」などその他新機能群の提供開始を発表した。

 Dropbox Backupは、Dropboxが備えるPCのクラウドバックアップ機能を利用できるバックアップ専用プラン。「コンピューター1台+外付けドライブ1台」の範囲内であれば容量無制限のバックアップが可能で、他のDropboxプランよりも安価な月額750円/年額7200円(税込)で使えるのが特徴。写真や動画など、個人ユーザーの抱える大容量データの保護を主目的としている。

 記者発表会には同社 代表取締役社長の梅田成二氏、アジア太平洋・日本地域統括ソリューション本部長の岡崎隆之氏が出席し、Dropbox Backupを提供開始する背景、ローカルバックアップとの違いや優位性、他のDropboxプランとの違いについて説明した。

「Dropbox Backup」の特徴。個人ユーザーでもシンプルにデータを保護できる

Dropbox Japan 代表取締役社長の梅田成二氏、同社 アジア太平洋・日本地域統括ソリューション本部長の岡崎隆之氏

月額750円で容量無制限のPCバックアップ、Dropbox Backupプラン

 今回提供を開始したDropbox Backupプランは、Dropboxが以前から提供してきたバックアップ機能に特化した専用プランとなる。Dropboxのバックアップ機能は、画面上でバックアップ対象のフォルダやファイルを選択するだけで簡単にデータを保護できるものだ。

バックアップ対象とするフォルダやファイルを指定するだけで簡単に使える

 同プランでは、コンピューター1台と外部ドライブ1台の範囲内であれば、バックアップが容量無制限で利用できるのが大きな特徴だ。さらにバックアップのバージョン(世代)も無制限となっており、最大30日間以内であれば、どの時点の履歴にもさかのぼってファイルを復元できる。

 Dropbox Backupプランの料金は、月払いの場合が750円、年払いの場合が7200円(月あたりに換算すると月額600円)。

 同一ユーザーが2台以上のPCや外付けドライブを利用する場合は、「どちらを容量無制限の対象にするか」を選んで設定する必要がある。ただし2台目以降についても、一緒に契約しているDropboxプランの容量範囲内でのバックアップが可能だ。たとえばDropbox Backupを単体契約した場合は、容量2GBぶんのクラウドストレージ(Dropbox Basic相当)も一緒に提供されるので、2台目以降はこの容量内でバックアップができる。

 バックアップ対象とするPCには、Dropboxのデスクトップアプリケーションをインストールする必要がある。そのため「サーバーOSでの利用は想定していない」としている。また、外付けドライブはUSBなどPCに直接接続するものが対象で、ネットワークストレージは対象外となっている。

Dropbox Backupプランと既存のDropboxプランとの違い

「難しさ」を解消して、個人ユーザーのバックアップを手軽に

 梅田氏は、これまでもバックアップはユーザーニーズの高い機能だったため、今回はこの機能を拡張するとともに、単独のプランとしてもリリースしたと説明した。Dropboxユーザー調査でも、クラウドサービスの利用目的としてバックアップ関連の用途は上位に挙がっていた。

Dropboxユーザー調査(2021年)より。クラウドサービスの利用目的として「バックアップ」や「データの中長期保存」は上位に挙がっている

 岡崎氏は、Dropboxが提供するバックアップ機能の特徴を説明した。特に個人ユーザーにとって、自分でバックアップを適切に運用するのはさまざまな「難しさ」があり、それらをシンプルに解消できるという。

 「Dropbox Backupでは、専任チームによって高信頼なインフラの運用管理がなされている。またランサムウェア被害などに気づかず“壊れたデータ”で上書きバックアップしてしまっても、保管日数内であればさかのぼって復元できる。クラウドなので保管場所を気にする必要もなく、自動でバックアップが行われるので『バックアップを忘れていた』というミスも防げる。そしてバックアップしたファイルはいつでもクラウドで参照、ダウンロードが可能だ」(岡崎氏)

バックアップにまつわる「難しさ」と、Dropbox Backupによる解決策

 ユーザー自身でバックアップを管理する「ローカルバックアップのほうが安い」という声もあるが、上述したような課題があるため信頼性は低く、「データを失った場合のコストを考えると、本当に安いと言えるだろうか」と問いかけた。

 必要なファイルをすぐにリストア(復元)できるという点は、特に近年、ドライブやファイルの大容量化に伴ってバックアップからのリストア処理に時間がかかるようになったため、重要なポイントとなっている。岡崎氏は、大容量のドライブであればリストアに数日かかることもあると説明したうえで、Dropboxのバックアップならば、仕事などですぐに必要なファイルはクラウドで参照、ダウンロードできると紹介した。

 「これまでのDropboxプランもバックアップ用途で使っていただいているユーザーは多い。今回の大きな強化点は、外部ドライブのバックアップにも対応したこと。写真や動画の編集ファイルなど大容量のものを外部ドライブで管理しているケースは多いと思うが、そうしたもののバックアップに使っていただくとよいのでは」(岡崎氏)

外部ドライブのバックアップにも対応した。バックアップ機能そのものはDropboxの全プランで利用できる

Dropbox上で直接PDFファイルを編集できる機能も登場

 今回はそのほかにもいくつかの新機能が発表されている。

●HelloSignテンプレート … 契約書やオファーレター(採用通知書)など、よく使うドキュメントをテンプレートに変換して、電子署名の依頼を効率化できる。今後数週間以内に全ユーザーに公開される予定。

HelloSignテンプレート機能が追加された

●PDF編集機能 … Dropbox(dropbox.com)上でPDFファイルを直接編集できる機能。PDFページの並べ替え、挿入、回転、削除、フォーム入力が可能。編集後のPDFファイルを別名で保存することも可能。今後数週間以内に全ユーザーに公開される予定。

 そのほか、現在英語版のみ提供されているドキュメント共有「Dropbox DocSend」のダッシュボード分析機能、米国で限定ユーザーに提供しているデジタルコンテンツ販売サービス「Dropbox Shop」のオープンベータ版の提供開始を発表している。

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