自動配送ロボットのサービス実装に向けた協調、共助、官民連携のあり方とは
ロボットの配送サービスで重い商品やかさばる商品が人気に
楽天グループでは、地域の小売店や飲食店からのデリバリーや、ネット通販のラストワンマイル配送への自動配送ロボット(UGV)の活用を目指し、2019年から実証実験に取り組んでいる。
2021年は公道実証実験手順の整備を受け、3~4月に横須賀市馬堀海岸の住宅地において期間限定のロボット配送サービスを実施。住宅地内にあるスーパーの特定の商品を専用アプリで注文するとロボットが自宅まで配達するサービスに加えて、店舗のサービスカウンターで購入した商品のロボット配送も受け付けたところ、重い商品やかさばる商品の注文や配送依頼が多かったという。また2021年7~8月には本田技術研究所とともに、筑波大学構内で実証実験を行った。
楽天グループは、2022年2月18日に発足した一般社団法人ロボットデリバリー協会のメンバーでもある。ロボットデリバリーサービスの普及による人々の生活利便性の向上を目指し、本協会で安全基準とガイドラインを策定し、安全基準に基づく認証の仕組みづくりを行うことで、安全・安心で便利なサービスを提供していく予定だ。いつでもどこでもロボットが安全に届けてくれる便利な社会の実現へ向けて、多くの企業に参加してほしい、と語った。
街の中で小型低速ロボット4台を常時運行し、処方薬や焼きたてパンを配達
パナソニック株式会社では、同社の工場跡地であるFujisawaサスティナブル・スマートタウン内で2020年11月から公道を含む屋外での実証を開始し、現在は4台が常時走行して安全性能やコスト、荷台の形状などの評価を実施している。アイン薬局との連携で処方薬の配送や、焼き立てパン、お弁当などさまざまな配送サービスに利用されてきた。
住民に親しんでもらうための活動としては、公募で愛称を募集し「湘南ハコボ」と命名。イラストの募集やふれあいイベントも実施し、徐々に浸透されているようだ。
今後はフルリモート型への対応、1人で複数台を遠隔監視・操作できる管理体制、自治体と連携した導入環境の整備などが課題だ。