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日常、ビジネスワークスに最適な小型PCをガチで組んでみた

2022年04月17日 13時00分更新

文● 藤田 忠 写真●藤田 忠 編集●北村/ASCII

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M.2 SSDの温度もチェック

 続いてはストレージ性能や冷却性をチェックしていこう。テストはヒートシンクを装備するメインM.2スロットに搭載したWD_Black SN770 NVMe 1TBに加え、B660GTNの魅力のひとつであるマザーボード裏面に装備するセカンドM.2スロットにも、WD Blue SN570 NVMe 1TBを搭載して計測している。

 ストレステストには「CrystalDiskMark 8.0.4」を使用。データサイズ64GiB、テスト回数9回で3回連続実行した際の温度を「HWiNFO64 Pro」でモニタリングしている。

Western DigitalのエントリーM.2 SSDの定番のWD Blue SN570 NVMeと、新たな定番モデル筆頭候補のWD_Black SN770 NVMeを用意した

マザーボード裏面にWD Blue SN570 NVMeを搭載

WD_Black SN770 NVMeをCrystalDiskMark 8.0.4(NVMeモード)で計測。PCIe4.0×4最速クラスではないが、シーケンシャルリード5244MB/sec、同ライト4954MB/secと高速だ

低コスト自作の定番NVMeとなるWD Blue SN570 NVMeの結果。PCIe3.0×4の限界に近い速度を発揮している。1TBで1万2500円前後とコスパ優秀だ

 メインストレージのWD_Black SN770 NVMeはヒートシンク装備なのもあるが、Laminar RM1からの風がしっかりとあたるため、アイドル時で41度、ストレステスト時でも50度とまったく不安のない温度になっている。マザーボード裏面M.2スロットは風の流れがないが、WD Blue SN570 NVMeは発熱量も多くないので、アイドル時で53度、ストレステスト時71度に収まっていた。組み合わせる製品で異なるが、裏面のセカンドM.2スロットにデータ用ストレージを拡張する際も安心だろう。

CrystalDiskMark 8.0.4実行時の温度

 In Win製コンパクトPCケースのChopin Proと、マザーボードのBIOSTAR B660GTNは相性こそあったが、動作は至って安定している。CPUクーラーファンの回転数を調節することで静音性を維持しながら、Core i3の性能をしっかりと引き出せる7万円台で組めるコンパクトPCレシピで組んで、静かに日常からビジネス、写真編集などを快適に行なおう。

2つの薄型CPUクーラーの性能を追加でチェック

 コンパクトPC自作は、限られたスペースで高い冷却性能を発揮するCPUクーラー選びもポイント。Core i3-12100に付属するLaminar RM1も、運用次第で高い静音性と、十分な冷却性能を発揮したが、追加でChopin Proに搭載できる薄型CPUクーラーを2製品用意。実際にChopin Proに組み込んで試してみた。

 ひとつ目は全高47mmで、3800円前後と手ごろな価格のアイネックス「IS-40X-V2」になる。もうひとつは薄型CPUクーラー最強の一角となるNoctua「NH-L9」シリーズの全高37mmモデルだ。インテルCPU用となる「NH-L9i」のLGA1700用&ブラックバージョン「NH-L9i-17xx chromax.black」を用意した。

92mmファンを搭載するトップフロー型の「IS-40X-V2」

6mm径の銅製ヒートパイプ×4を搭載している

受熱ベース部はヒートパイプがCPUのヒートスプレッダーに直接接触するダイレクトタッチ式を採用

92mm径ファンを備える「NH-L9i-17xx chromax.black」。LGA1700用は8200円前後とやや割高になっている

ニッケルメッキの施された銅製ベースプレートや、2本のヒートパイプなどで構成されている

CPUクーラースペック比較表
型番 Laminar RM1 IS-40X-V2 NH-L9i chromax.black
サイズ 100×100×47mm 94×101×45mm 95×95×37mm
ヒートパイプ - 6mm径×4本 6mm径×2本
TDP 65W 100W 65W
サイズ - 92×92×15mm 92×92×14mm
回転数 600~3150rpm(±5%) 800~2800rpm(±10%) 600~2500rpm(±10%)
風量 - 46CFM 33.84CFM(57.5m3/h)
静圧 - - 2.11mmH2O
騒音値 29dBA 14~35.2dBA 23.6dBA
実売価格 0円 3800円前後 8200円前後

暗騒音は34.9dBA

 Laminar RM1と同じく、Chopin Proに収めてファン回転数の騒音値をチェックしていこう。IS-40X-V2は100%回転では50.3dBAとなかなかの爆音になっている。40dBAを切る50~60%での運用を目指したいところ。今回のテストでは60%で運用してみた。

 続いてNoctuaのNH-L9i chromax.blackはさすがのひと言で、2450rpmで回転した100%でも45.9dBAだった。とは言え、40dBAを超えているので、当然、動作音は耳につくので、ここでは65%、1900rpm前後に設定した。

室温は21度

 各種ベンチマークを実行すると、静音運用でもNH-L9i chromax.blackがダントツの結果で、高負荷なCINEBENCH R23でも84度に抑え込んでいる。残りの2つのテストでも、まったく不安のない温度になっていた。もうひとつのIS-40X-V2は手ごろな価格だが、残念ながら今回の環境ではLaminar RM1から微々たるダウンに留まっている。全高もLaminar RM1とほぼ同じだけに、IS-40X-V2に変更するメリットは少ないだろう。

 なお、それぞれカスタマイズした回転数での騒音値は、Laminar RM1が38.3dBA、IS-40X-V2が39.1dBA、NH-L9i chromax.blackが38.2dBAだった。NH-L9i chromax.blackなら、さらにファン回転数を抑えて、より静かに運用することができそうだ。

【機材協力】

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