最新パーツ性能チェック 第368回

熾烈なメインストリームCPU争いに完全決着

Core i7-12700K対Ryzen 7 5800X！Windows 11でDDR5対DDR4の性能差もベンチマーク比較

「PCMark 10」における総合性能は差が少ない

　続いては総合ベンチマーク「PCMark 10」で検証する。テストはゲーミング以外の処理で比較する「Standard」テストを実施した。「Essentials」や「Productivity」、「Digital Content Creation」（以下、DCC）といった各テストグループの結果も掲載する。

PCMark 10、Standardテストの結果

　Standardテストはライトユース中心の環境を想定し、CPU負荷が軽い処理をメインに構成している。そのため、Core i7-12700KとRyzen 7 5800Xの差は非常に小さい。数字をよく見ると、2〜4％ほどCore i7-12700Kのほうが高い程度だ。また、ここでもDDR5環境のほうがDDR4環境よりも優秀と言えるが、微妙すぎる差と言っていいだろう。

PCMark 10、Standardテスト、Essentialテストグループの結果

　ここからはテストグループ別に結果をブレイクダウンしていく。Essentialテストグループでは概ねCore i7-12700Kがわずか1〜2％程度Ryzen 7 5800Xを上回っていた。一方で、OpenCL性能が試される「Video Conferencing」だけRyzen 7 5800Xが6％程度Core i7-12700Kを上回った。また、「Firefox」を使ったブラウジング（Web Browsing）ではCore i7-12700Kが6〜7％ほど、Ryzen 7 5800Xより高いスコアーを出している。

PCMark 10、Standardテスト、Productivityテストグループの結果

　「LibreOffice」を使ってテストするProductivityテストグループ（青色バー）では、Core i7-12700KとRyzen 7 5800Xのスコアーはほぼ同じだった。しかしながら、細かい話ではあるが、表計算（Spreadsheet）ではCore i7-12700Kが高く（7％）、ワープロ（Writing）ではRyzen 7 5800Xのほうが高い（3〜7％）という違いがある。また、Core i7-12700KのDDR4とDDR5対決という観点で言うと、WritingではDDR5のほうが高スコアーになった。

PCMark 10、Standardテスト、DCCテストグループの結果

　写真編集やCGレンダリングなどでテストするDCCテストグループでも、総合スコアーではCore i7-12700Kがハナ差でRyzen 7 5800Xに勝利。しかし、テスト別のスコアーを見てみると、写真編集（Photo Editing）ではRyzen 7 5800XがCore i7-12700Kに対して最大9％高いスコアーを出している。

　その一方で、CG作成/レンダリング（Rendering and Visualization）では逆にCore i7-12700Kが最大9％の差でRyzen 7 5800Xを上回った。そして、「Video Editing」でもCore i7-12700Kのほうが優勢と言える結果だった。CPUのアーキテクチャーと処理の内容によって、どちらのCPUが優秀かは変わるのだ。