業務改善を実現するRPA 導入のメリットと注意すべきポイント
RPAロボットのメリットとは
RPAを導入し、業務の改善や効率化を計った結果、単に作業時間が減るだけでなく、さまざまな効果やメリットが多数実感できます。
①コスト削減
業務が効率化されることで、それまで該当業務にかけていた人件費をはじめとした費用を削減できます。今まで人手で行っていた作業を自動化できるようになれば、高い費用対効果が見込めます。
②人手不足解消
人間が手作業で操作していたファイルの編集作業やデータの転記作業などの定型作業を代替でき、人手不足解消につながります。人間では不可能な量のタスクを休まず高速で実施できるからです。
③業務精度の向上
人間が行うデータ入力やWeb検索結果の転記のような作業ではどうしてもミスは発生してしまいます。RPAによる自動化ではヒューマンエラーが起こりません。単純作業を人間より正確に行い、顧客情報や機密データの漏えい・改ざんといった人為的な問題を未然に防げます。
④付加価値の高い業務への集中
RPA導入に成功すれば単純な定型業務をする時間が減るため、今までと比べ付加価値の高い業務に集中できる時間を増やせます。
⑤離職防止
従業員が単純作業から解放され、よりやりがいのある仕事に専念でき、仕事のモチベーションが向上しやすくなります。モチベーションの低下を避け、離職防止につなげられます。
ここまで、RPAが注目される理由や背景、メリットなどを挙げてきましたが、RPAを導入するだけでは、これらのメリットは得られません。多くの企業が抱えるRPA導入の課題と、業務改善の成功ポイントを見ていきましょう。
RPA導入の課題と業務改善成功のポイント
RPAを導入したものの思った通りの成果が出ず、「業務改善プロジェクトをどう進めていいか悩んだ」「RPA導入の目的・目標が明確ではなかった」など、導入失敗となるケースが度々聞かれます。導入前のよくある課題は図3の通りです。
成功のポイント①目標と効果の明確化
RPAを導入することが目的ではありません。RPAを活用して、業務改善を成功させることがゴールです。業務改善の目標とその効果を明確化しておかないと、RPAを導入した投資対効果が判断できずにプロジェクトは終了になる恐れがあります。目標設定には「SMART」フレームワークを活用するとよいでしょう。
S(Specific:具体的に)≫わかりやすく具体的な言葉で目標を表す
M(Measurable:測定可能な)≫目標の達成が客観的に判断できるように、可能な限り定量化する
A(Achievable:達成可能な)≫いきなり高い目標を掲げず、達成が実現可能な目標を設定する
R(Related:経営目標に関連した)≫その業務に関連する部署全体の目標や経営全体の目標に関連した目標になっているか確認する
T(Time-bound:時間制約がある)≫「いつまでに」という目標達成の期限を決めておく
効果測定もポイントがあります。測定しやすい定量的効果はもちろんですが、数字には表れにくくとも業務改善活動によって得られたプラスの効果(定性的効果)も、軽視をせずに見きわめていきましょう。
定量的効果の例:削減できた人件費や時間など
定性的効果の例:ミスの削減による業務品質の安定、顧客満足度の向上、セキュリティの向上、従業員満足度の向上など
成功のポイント②業務プロセスの改善
RPAの導入効果を高めるには、1つの業務を自動化するにとどまらず、業務プロセス全体の改善も視野に入れます。それには、業務の洗い出し(棚卸し)作業がお勧めです。業務そのものの目的の見直しをするのです。その業務が本当に必要か、他の業務と重複していないか、そのやり方しかできないか、など、自動化に向けて業務を再設計するイメージを持ち、RPAで自動化しやすい、できるだけシンプルなフローになるよう検討します。
この作業を行い、業務改善の優先順位をつけていきます。
成功のポイント③体制の整備業務改善プロジェクトの方向性とRPAの導入が決まったら「誰が」やるかを決めます。プロジェクト体制は、社内で完結させる「内製」と、「外部リソースを利用」しながらやる方法と大きく2つあります。
それぞれにメリットはありますが、業務現場のニーズを反映しやすく、改善のノウハウを蓄積しやすい「内製」を目指してRPAを導入する企業が多くみられます。
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