このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第660回

第3世代EPYCは3次キャッシュを積層してもさほど原価率は上がらない AMD CPUロードマップ

2022年03月28日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Radeon Instinct MI210

 第2世代CDNAを搭載したRadeon Instinct MI250X/MI250については連載644回で説明したが、ローエンドにあたるRadeon Instinct MI210が3月22日に発表になった。最大の特徴は、1ダイ/4HBM構成になったことだ。

Radeon Instinct MI250X/250の構成のままだと絶対にPCI Expressカードにはできなかったとは思う

 構成は104CU/6656SP/416 Matrix Processorで、FP64/FP32 Vectorで22.6TFlops、FP64/FP32 Matrixで45.3TFlops。FP16/FP16で181TFlops。Int 4/8で181TOPSとなっており、Radeon Instinct MI250のきっちり半分となっている。

 メモリーは64GB HBM2eで最大1.6TB/秒と、これもきっちりRadeon Instinct MI250の半分である。

左の写真は複数のRadeon Instinct MI210を接続する際のインフィニティー・ファブリックのブリッジ。おそらくこれは4枚構成用と思われる

 強いて半分でないものを挙げれば、Radeon Instinct MI250X/250は8本のインフィニティー・ファブリック(うち1本がPCI Expressと共用)なのに対し、Radeon Instinct MI210はPCIe×1+インフィニティー・ファブリック×3構成になっていることか。

 ちなみに外装はRadeon Instinct MI100と一見見分けがつかないのだが、後端を見ると補助電源コネクターが8ピン×1になっていることが目を引く。

カード上部のややへこんだ部分には、インフィニティー・ファブリックのブリッジが装着されるのもRadeon Instinct MI100と同じ。もっともブリッジそのものに互換性があるかどうかは不明である

ちなみにRadeon Instinct MI100は8ピン×2である

 Max Board Powerは300Wということになっているが、スペック的に言えば225W相当である。Radeon Instinct MI250はMax Powerが空冷で500W、液冷で560Wとされており、しかも空冷オプションがないから最大でも250W程度で、ほとんどのケースでは225Wで動作しそうである。

 性能についてはNVIDIA A100との比較が示されているが(Photo11)、今年のGTCでNVIDIAはHopperベースのH100を発表しており、こちらと戦う必要があるわけで、この結果は参考程度に考えておくのが良いだろう。

 ただH100はいろいろ爆裂したスペックであるものの、消費電力も700WなのでPCIeカードに落とすとなると相当性能が下がることが予想される。そういう意味ではRadeon Instinct MI210の競合となる製品が出たとして、それがどの程度のスペックになるかは現状未知数である。

DG2-512投入は3月30日?

 最後にインテルの小ネタを。TwitterのIntelGraphicsは3月15日にこんなMentionを投稿した。普通に考えると、Xe-HPG DG2-512ベースの製品発表の可能性が非常に高そうなのだが、さて?

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事