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AMDが“究極のワークステーション向けプロセッサー”と表する「Ryzen Threadripper Pro 5000 WXシリーズ」の気になるポイントを解説

2022年03月08日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ

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Xeonの2倍のワットパフォーマンスを強調

 今回AMDから提供された資料では、Xeonとのパフォーマンス比較について多くの分量が割かれていた。Threadripper PRO 5995WXとXeon Platinum 8280を比較した場合、同じ作業をさせた場合でもコアあたりの消費電力はPRO 5995WXが最大67%低く、レンダリング性能は最大39%向上、ワットパフォーマンスでみると最大2倍の性能が期待できるという。

Threadripper PRO 5995WXはワットパフォーマンスおいてXeon Platinum 8280の最大2倍に到達する、とのことだ

コア数のみならずクロックやPCI Expressのレーン数といったスペックだけでなく、セキュリティー等のエンタープライズ向けソリューションに必要な要素においても上回っている

Threadripper PRO 5000 WXシリーズとXeon Platinum/Xeon W-3000シリーズをMayaを使ったグラフィック性能、さらにストレージ性能で比較。グラフごとに比較対象のCPUが異なるが、どの比較においてもThreadripper PRO 5000 WXシリーズは競合を上回っている

ここから暫くソリューションごとのパフォーマンス比較となる。まずはThreadripper PRO 5995WX(64コア/128スレッド)対Xeon W-3375(38コア/76スレッド)でUnreal EngineとChromiumのコンパイル時間を比較。5995WXはW-3375の6割程度の時間で処理を終了できると主張している

Threadripper PRO 5995WX(64コア/128スレッド)対Xeon W-3375(38コア/76スレッド)でメディアクリエーション系アプリ(After Effects/V-Ray/Maya)でのパフォーマンス比較。一番差が付かなかったMayaでW-3375の1.25倍、一番差が付いたV-Rayで2倍のパフォーマンスであると主張

同様に設計・製造分野で使用されることの多いCreo/Solidworks/Keyshotのパフォーマンス。こちらもW-3375よりも1.26倍〜2倍の性能であるという

これは建築分野で使われることの多いRevit/AutoCAD/Corona Renderでの比較だが、ここではRyzen Threadripper PRO 5965WXとXeon W-3345の対決で、どちらも24C48T対決である。同コア数であってもAutoCADで5965WXはW-3345に対し7%、Corona Renderでは45%の性能向上が期待できる

ここではThreadripper PRO 5995WX(64C128T)対Xeon Platinum 8280(28C56T)対決。V-RayからKeyshotまで、それぞれのベンチマークにおいて5995WXは8280の14%〜95W上の性能を示した、という内容のグラフ

 AMDによれば、ワークステーション市場におけるAMD製CPUのシェアは2021年Q4時点で60%を占めているという。コア数のみならずメモリー帯域やPCI Expressレーン数とのバランスにおいて、インテル製ワークステーション向けCPUはまだThreadripperとまともに戦える状況になく、この分野でのAMDの優位性は当分揺るぎない。ただ、コンシューマー向けHEDT CPUもそろそろZen 3世代に更新して戴きたいところである。

AMDによれば、ワークステーション市場におけるAMD製CPUのシェアは2021年Q4時点で60%に達しているという

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