この20年間で進んだ業態変更の中で
コニカミノルタは、2003年にコニカとミノルタの経営統合を発表。2006年には、祖業である写真、フィルム事業から撤退した。そして、2008年のリーマンショックにより、「一度紙出力から離れたお客様は、もとには戻らないとの覚悟を持ち」(山名社長兼CEO)、ITサービスや周辺領域の事業の拡大、強化に取り組んできた。さらに、2020年の新型コロナウイルスの影響により、人々の価値観や行動が大きく変容。「個別・分散・リモート」において、コニカミルノタの強みを生かす経営へとシフト。体質転換を図っているところだ。
具体的には、2025年度までに、「オフィスからデジタルワークプレイス事業への転換」、「画像IoTを軸とした計測、検査、診断事業の拡大」という2つのポートフォリオ転換の完遂に取り組む姿勢をみせ、「これを同時に完遂することが必須である」(山名社長兼CEO)とする。
コニカミノルタは、依然として厳しい経営環境のなかにあり、大きな転換期にあるのは確かだ。新体制によって、どんな成長戦略を描くのか。中期経営計画の内容にも注目したい。
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