あきらめないこと、粘り強いこと
あきらめないことや粘り強いことは、大幸次期社長兼CEO自らも語る強みである。
「出身地の福井県は、1年のうちの5カ月間は、青空が見られない土地柄。そこで18年間育ってきた。耐えること、粘り強さは誰にも負けない」と語り、「どんな局面においても、あきらめない、粘り強くといった私の持ち味を生かしたい」とする。
その一方で、IR、広報を担当していた際に、ステークホルダーから言われた言葉が印象に残っているという。
「ステークホルダーからは、『コニカミノルタの戦略は正しいが、実行力に課題がある』、『無理をしているのではないか』といった率直な指摘があった。こうした声に真摯に耳を傾け、対話を通じて、等身大のコニカミノルタを評価してもらえるように努力していく」とし、「感度をあげて、ひたすらに、めりはりをつけて、実行力を高めることに傾注していきたい」と語る。
大幸次期社長兼CEOの基本姿勢は「現場」を重視することだ。
大幸次期社長兼CEOは、「14年間に渡り、海外赴任し、販売会社を通じて、お客様と接点を持ったことが大きな経験であり、強みであり、学んだ部分である。買収に関わり、買収した会社にも出向した。買収すると、こちらの思いばかりを伝えるところがあるが、うまくいったケースは、コニカミノルタと一緒になってよかったと感じてもらえた場合であり、そうした人との接点づくりに傾注してきた。今後も人の心の機微は大切にしたい」とする。
そして、「どんな時でも課題を認識しているのは、お客様との接点を持つ現場。社長に就任後も現場に赴いて現場の声を聞き、ステークホルダーとの対話を通じて、コニカミノルタの事業転換を推進していくスタンスを徹底していく。ここにこだわる」と述べた。
さらに、「決めることが絶対的な使命。そして、決める際にも、現場で、人の話を最後まで聞くことを実行していく。また、決めたことを簡潔にきちっと伝え、浸透させていくことも大切だ」とする。
現場を重視することが、大幸社長兼CEOの経営手法となりそうだ。
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