DX2022の仕上げの年
今回の社長交代のタイミングについて、コニカミノルタでは、2022年度が中期経営計画「DX2022」の仕上げの年であるとともに、次期経営計画の策定年度となることをあげる。
「このタイミングで交代することで、新たな社長兼CEOが、自ら新たな中期経営計画を策定し、グループ4万人の人財をリードし、実行力を最大化することが、企業価値を高める上で適切であると判断したため」とする。
そして、新たな中期経営計画の初年度となる2023年には、旧コニカの創業から150年、コニカミノルタの経営統合から20年の節目を迎える。こうした節目を新体制で迎えるという狙いもあるといっていいだろう。
大幸新社長は、1962年11月30日、福井県出身。1986年4月にミノルタカメラに入社し、法務部門に配属された。2002年4月には、Minolta QMS Printing Solutions USA Inc. においてExecutive Vice Presidentに就任。2005年4月にはコニカミノルタビジネステクノロジーズで事業統括本部事業戦略部長、2012年6月に同社取締役経営企画部部長兼業務革新統括部統括部長に就いた。2013年4月にはKonica Minolta Business Solutions U.S.A. Inc.,のCEOに就任している。2015年4月には、コニカミノルタ執行役、2016年4月に情報機器事業事業企画本部長、2017年4月にプロフェッショナルプリント事業本部長、2018年1月にオフィス事業本部長に就任。2018年4月には常務執行役として、情報機器事業管掌兼オフィス事業本部長に就任。2018年6月には取締役兼常務執行役情報機器事業管掌兼オフィス事業本部長、2020年4月に取締役兼専務執行役情報機器事業管掌兼経営企画、IR、広報、DXブランド担当、2022年1月に取締役兼専務執行役情報機器管掌兼経営企画担当に就任していた。
山名昌衛社長兼CEOは、コニカミノルタの新たなリーダーに必要な要件として、「グループ4万人の社員が、自分事化につなげることができるグローバルコミュニケーション力」、「様々な個の輝きを引き出すエンパワーメント力」、「粘り強さを持って、やり遂げる強固な意志と能力」の3点をあげて、「大幸新社長は、この3つの要件を持つ」と語る。
その上で、「率先垂範」、「傾聴力」、「Cool Head, Warm Heart」という特質を持つと語り、「信念や志が強く、あきらめず、粘り強い。人に寄り添って、コミュニケーションを取り、人の意見も聞く。これからの経営は、方向性を示すだけでなく、それぞれの人の思いを聞いて、その人の立場になって、動かすリーダーでなくてはいけない。その点で優れている」と評価する。
また、「顔が厳しいので、暗いように見える。もっと笑ったらいいんじゃないかと思うこともあるが、味のある人間であり、魅力がある。付き合うほどそれがわかる」とも語る。
この連載の記事
-
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう - この連載の一覧へ