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写真家 鹿野貴司「Pixel 6 Pro」テストレポート 第3回

グーグル「Pixel 6 Pro」はアクションパンで誰でも超簡単流し撮り【写真家 鹿野貴司レビュー】

2022年03月05日 12時00分更新

文● 鹿野貴司 写真●鹿野貴司 編集●飯島恵里子/ASCII

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滑り台などは流し撮り上級者向けのシチュエーションだが、滑ってくる子供に合わせてカメラ(というかスマホ)を振るだけ。通常のカメラでここまで人物だけシャープに写すには、相当なテクニックと撮影回数が必要になる。参考までに通常撮影も。

「アクションパン」を選択すれば見事な流し撮りが生成

 そう、Pixel 6/Pixel 6 Proがあれば、もうそんな苦行はいらないのだ。「アクションパン」を選択して動く被写体を追いかけてシャッターを押せば、見事な流し撮りが生成されるのだ。もう回転寿司にカメラを向けて恥ずかしい思いをしたり、顰蹙をかうこともない。心置きなく好きなネタを食べてください。

 ついでにメカニズムの話を少々。本来流し撮りでは遅いシャッター速度を選択すべきだが、「アクションパン」では通常撮影と同じく速いシャッター速度が設定されている。振りながら撮影した際に、追従している被写体を自動認識。それ以外を画像処理でパンした方向に流していく。

 僕が思う「アクションパン」のよいところは、画像処理ゆえ近距離の流し撮りもきれいなところ。モノの動きは近くなるほど速く見える。電車の窓から見た風景を思い出してほしいが、線路際の構造物は速く過ぎ去っていくのに、遠くの風景はゆっくり動いていく。でも実際にはどちらも同じ距離で遠ざかっている。

至近距離は被写体を追うのが難しいが、「アクションパン」ではかなりアバウトでも大丈夫。とくに人物は顔認識をもとに処理される(と思う)ので、きちんと顔を中心とした流し撮りになる。ちなみに実際のスピードは大人が歩くより遅かったのだが…(笑)。地面の流れ方がやや過剰気味だが、ふつうの人はそこに注目しないので大丈夫でしょう。こちらも比較のため通常撮影を

 流し撮りもなるべく被写体から離れ、望遠レンズで狙うのが成功率を上げる秘訣で、スピードを競うスポーツを撮影するフォトグラファーはそういう位置取りをしている。500mmや600mmといった超望遠レンズで遠くから狙うのは、物理的に近寄れないとか、背景をきれいに処理したい(これについては前回の記事を参照)という意図もあるが、きれいに流し撮りをするためという理由もあると思う。

参考までにカメラの機能はしっかり働いているのだが、流し撮りで重要な背景選びで失敗した例を。流す方向(この写真では横方向)の線があると、流れている感があまり感じられない。一番理想的な背景は街灯やライトなどの点光源。したがって夕方~夜に撮ると、かっこいい写真が撮りやすい

というわけで夕暮れの町で撮影してみた。下半分のアスファルトはあまり流れている感じがないが、上半分の街明かりが筋状になって、スピード感が感じられると思う

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