写真家 鹿野貴司「Pixel 6 Pro」テストレポート 第1回
グーグル「Pixel 6 Pro」消しゴムマジックは技術でユーザーの行動を先回り【写真家 鹿野貴司レビュー】
2022年01月30日 12時00分更新
昨年末にグーグルのスマートフォン「Pixel 6 Pro」をレビューしたが、説明し始めるとキリがなくなりそうなユニークな機能が盛りだくさんで、短くまとめるのに苦労した。とか偉そうなわりに読み返すと全然短くなっていないのだが、最新スマホの中では比較的手頃な価格ながら、カメラ機能だけ抜き出してもネタ満載なのである。短くまとめろという方が無理難題なのである……と編集部に力説したところ、ならば機能別の連載をやりましょうという話になった。力説してみるものだ。
というわけで始まる短期集中連載、最初は「消しゴムマジック」の巻。そういえば最近Facebookを開くと、何年も前に自分が投稿した写真が表示されることが多い。そこに消したい誰かが写っていることはないだろうか。僕はあります。あるいは誰かだけを残して、その他大勢を消したいということもあるかもしれない。僕もあります。まあそこまで不穏で湿っぽい話でなくても、たとえば無関係な人が写り込んだのでSNSに投稿するのをやめたとか、ペタペタと不都合なものを隠す加工をしたという経験は皆さんあると思う。それをスマートに解決してくれるのが「消しゴムマジック」だ。
テレビCMでもアピールしていた機能だけあって、背後に人影がたくさん写っているような写真は、「フォト」上で開いただけで“あなた、消したいものありますね?”とばかりに「背景の人物を消去」というボタンが表示される。それをタップすれば「消しゴムマジック」が起動。その表示がなくても「編集」から選択・起動できるが、写っているのが1人だけのポートレート写真や、そもそも人物が写っていない風景写真では「消しゴムマジック」の項目が出てこない。ああ、ダメなのね……と思ったら「ツール」という項目にあった。
つまり機能が表示されるタイミングが、写真の内容によって3段階に分かれているのだ。
僕が長いこと使っているiPhoneには、こういったお世話を焼いてくれる要素が少ない、というか考えてみたが思いつかない。Siriというお世話係はいるけれど、もちろん呼ばない限りは何もしてくれない。まあiPhoneには“iPhoneの流儀”みたいなものがあって、ユーザーがそちらに合わせないといけない部分がある。それをユーザーになじませるのがアップルはうまいよなぁと思うけれど、技術でユーザーの行動を先回りしていくグーグルも常々感心させられる。Gmailの本文に「添付」という文字を打つと、添付ファイルがないときに警告してくれるアレとか。
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