外付け本格水冷システムを使って性能を検証
両CPUウォーターブロックの冷却性能を試すために使った本格水冷システムは、Alphacoolの60mm厚360mmラジエーターの「NexXxoS UT60 Full Copper 360mm radiator」とLaing DDC互換ポンプを内蔵したBykski「CP-DDCXTK180V2」、ID3/8 OD1/2サイズのソフトチューブなどで構成。
ポンプの回転数は、高回転だとリザーバータンクの大きさもあって気泡が大量に発生してしまうため、40%、3000rpm前後に制御している。
本格水冷のパーツ構成 | |
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CPUウォーターブロック | Corsair「Hydro X Series XC7 RGB PRO CPU Water Block」 EK WaterBlocks「EK-Quantum Velocity2 D-RGB - 1700 Nickel + Plexi」 |
ラジエーター | Alphacool「NexXxoS UT60 Full Copper 360mm radiator」 (120mmファン×3基) |
ファン | Noctua「NF-F12 PWM」(120mm、300~1500rpm) |
ポンプ/リザーバー | Bykski「CP-DDCXTK180V2」(ポンプ Laing DDC互換 PMD3 Pump) |
ラジエータースタンド | Bykski「Bykski External 360mm Radiator Mount Stand」 |
チューブ径 | ID3/8 OD1/2 |
Core i9-12900Kは、マザーボードのBIOS(UEFI)で性能を最大限に引き出す「Water Cooler(PL1:4096W)」を選択したほか、手動でPコアを1コア5.3GHz、8コア5.0GHz、Eコアを1コア4.0GHz、8コア3.8GHzで動作するように、オーバークロックした状態でも試している。
テスト環境 | |
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CPU | インテル「Core i9-12900K」 (16コア/24スレッド、最大5.2GHz) |
マザーボード | MSI「MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4」 (インテルZ690、ATX) |
メモリー | G.Skill「DDR4-3600 16GB×2 F4-3600C16D-32GTZNC」 (16GB×2、DDR4-3600) |
ビデオカード | Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」 (GeForce RTX 3080 Ti、12GB GDDR6X) |
ストレージ | Samsung「980 PRO MZ-V8P2T0B/IT」 (2TB、PCIe4.0 NVMe) |
電源ユニット | SUPER FLOWER「LEADEX VI PLATINUM PRO 1000W」 (1000W、80PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |
オールコア5GHzのOCも問題ない冷却性能を発揮
「XC7 RGB PRO CPU ウォーターブロック」と「EK-Quantum Velocity2」を外付け水冷システムに取り付けて、CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」を30分間(Minimum Test Duration:30 minutes)連続して実行した際の温度を「HWiNFO64 Pro」で記録。「CPU Package [℃]」をCPU温度として、テスト後半10分間の推移を抽出している。さらに最高と平均温度もまとめている。
電力消費が無制限となる「Water Cooler(PL1:4096W)」設定時から見てみると、Deepcoolのツインタワー空冷CPUクーラー「AK620」や、ARCTICのオールインワン水冷ユニット「Liquid Freezer II」など、最近試したCore i9-12900Kの冷却システムのなかでは、トップの冷却性能を発揮している。
「XC7 RGB PRO CPU ウォーターブロック」と「EK-Quantum Velocity2」では、「EK-Quantum Velocity2」が勝り、最高温度で3度、平均温度で2.43度低い結果を残している。
1万2500円前後の価格を考えると、「XC7 RGB PRO CPU ウォーターブロック」のコスパは悪くないが、本格水冷の導入コストを考えると、コスパよりも冷却性能を重視したいところ。先日試したLiquid Freezer IIと比べても、最高温度で3度、平均温度で2.2度差と「XC7 RGB PRO CPU ウォーターブロック」は、いまひとつに感じてしまう。
続けて実行したオーバークロック時の温度推移も同じ傾向で、最高温度は90度台に達するが、「EK-Quantum Velocity2」の平均温度は87.45度と安心できる温度を維持している。流路を流れるクーラントの量が多い大型ウォーターブロックの「EK-Quantum Velocity2」の強みだろう。
買って安心のEKWB「EK-Quantum Velocity2」
複数枚の諭吉が勢い良く飛んでいく本格水冷システムだけに、冷却性能は高いほどうれしいところだ。その点EKWBの最新CPUウォーターブロック「EK-Quantum Velocity2」は、CPUの最大性能を引き出すと現状最も高発熱となるCore i9-12900Kとも安心して組み合わせられると言える。
コストを含めて、導入敷居が高い本格水冷だが、興味を持った人は是非とも挑戦してもらいたい。今回組んだ水冷システムのように、経路にソフトチューブを利用すれば、ハードチューブのように長さをしっかりと合わせ切ったり、正確に曲げたりといった加工は不要。そのうえフィッティング(継手)のコストも抑えられるので、メンテナンス性も良好なソフトチューブからはじめるのも手だ。
今回のCPUウォーターブロックに続いては、本格水冷導入の契機になることも多いフルカバータイプのGPUウォーターブロックを試そう着々と準備中なので、CPUよりもビデオカードの爆熱が気になっている人は注目だ。
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