連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第14回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2021年12月25日~2022年1月7日分
2022年の注目テクノロジーは? AI、RPA、5G、エッジの各社予想
2022年01月11日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
2022年の初回となる今回は、年末年始にかけてAI、RPA、テクノロジー全般で4社が出した「2022年の予測」をまとめて紹介します。
■[AI][トレンド]AIは各産業にどのような影響を与えるのか?NVIDIAの専門家が予測(NVIDIA、12月23日)
・自動車は「プログラマブル自動車」「通勤時のストレスを解消するAIアシスタント」など
・小売では「人手不足にAIが対処」「AIで物流最適化」など
・金融では「自分の声がID」「ESG向けAI」など
NVIDIAの専門家数人に、2022年AIが世界の産業に与える影響予測を聞いたもの。産業別に加えて、ディープラーニング応用では2021年にビデオゲームなどで利用が進んだ「対話型AI」が業務向けにも拡大、自然言語処理により作業の効率化を図ると予想している。仮想世界を表現する高度な3D標準(いわゆる“メタバース”)では、インターネット登場時のようにオープンな標準の策定が進むとの予想も出ている。データサイエンスそのものでは、AIの利用増によりMLOpsの拡大などが予想されている。
■[トレンド]2022年のクラウド戦略はハイブリッドクラウド、DXの障害は人材(レッドハット、12月17日)
・クラウド戦略のトップは「ハイブリッドクラウド」(30%)。「マルチクラウド」(13%)も増加
・IT予算の上位3は「セキュリティ」「クラウド管理」「クラウドインフラ」
・DX推進のうえで最大の障害は「人材」
Red Hat(米IBM)がIT幹部などにDXやテクノロジーについて聞く年次調査。今回は大企業を中心に世界から1300人以上が参加、調査期間は2021年6月~8月。クラウド戦略のトップは昨年に続いてハイブリッドクラウドとなったが、パブリッククラウド、プライベートクラウドファースト戦略は共に減少した。回答者の18%はまだクラウド戦略構築中という。DXの障害については「人材のギャップ」を26%が挙げ、首位となった。「セキュリティまたはコンプライアンス」は前年比数ポイント減ったという。
■[トレンド][エッジ][5G][セキュリティ]2022年の注目テクノロジーはエッジ、5G/プライベートモビリティ、データ管理、セキュリティ(デル・テクノロジーズ、12月22日)
・エッジは「エッジプラットフォーム」と「ソフトウェア定義エッジワークロード」に注目
・5Gは高度化、企業の活用が進み、プライベートモビリティエコシステムが前進
・セキュリティでは攻撃対象領域が拡大、自動化と統合で対応
エンタープライズIT領域における2022年の注目テクノロジーを、エッジ、プライベートモビリティー、データ管理、セキュリティーの4つの領域で予想した。例えばエッジでは「プラットフォームとワークロードの分離」が進むと予想。5Gについては、現在はまだWi-Fiと大きな違いはないが、2022年はUR-LLC(超高信頼低遅延通信)/mMTC(多数端末同時接続)などの機能を備えた高い能力が利用できるようになると予想する。2022年以降の注目ポイントとして「量子コンピューティング」「デジタルツイン」などを挙げている。
■[トレンド][RPA]RPAのトレンドはセマンティックオートメーション、CIOの課題は?(UiPath、12月24日)
・CIOには「中央集権的取り組み」と「個人的取り組み」のバランスが問われる
・RPA領域にセマンティックオートメーションが入ってくる
・自動化を推進する最高サステナビリティ責任者(CSO)が登場
RPAベンダーのUiPathが自動化分野の2022年のトレンドトップ10を予想した。自動化の手綱を握るとされるCIOの課題として、自動化テクノロジーの標準化、中央集権的取り組みと個人的取り組みのバランス、ガバナンス/セキュリティ/品質の確保を挙げている。RPAの進化としては、セマンティックオートメーション(文脈に基づく自動化)の進化により、従来のルールベースアプローチからの脱却が進むと予想している。</p>
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