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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第190回

2021年の超私的ベストバイ・カーの「VEZEL」は車中泊が可能かを検証した

2022年01月15日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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 2021年のカー・オブ・ザ・イヤーは日産自動車のNOTEシリーズに決定したのは、クルマ好きの方ならご存じのとおり。2世代目となったe-POWERユニットに使い勝手の良さ。確かに素晴らしい1台です。

 さて、以前「超私的2020年ベストバイ」という記事を作った不肖。閲覧数がソコソコよかったらしく編集部から2021年版も作ってよ、というオーダーをいただきました。そこで今年も「超私的2021年ベストバイ」を勝手に選定したいと思います。栄えあるかどうかわかりませんが、2021年に発売された車種の中で、誰にでもオススメできる車種、それはHondaの「VEZEL e:HEV」です。

VEZELをベストバイに推す理由
300万円で買えるコンパクトSUV

 まずベストバイの定義から。カー・オブ・ザ・イヤーが「その年を代表するクルマ」「その年で最も優秀なクルマ」で「値段無制限」とするなら、ベストバイは「その年発売されたクルマの中で、誰が乗っても大きな不満を抱かず、それでいてお値段以上」と判断したもの。ですので、常識的な値段であるとともに、スポーツカーなど特殊なクルマは候補から外れます。必然的にコンパクトSUVもしくはBセグメントのコンパクトカーが対象車種となります。

 VEZELは300万円前後というプライスからは想像できないほど、充実したクルマです。NOTEもAURAになると300万円に達するので、同じ値段なら大きいクルマの方がお買い得に見えます。

日産/KICKS

 「同じ価格のSUVというと、日産ならKICKSがあるけれど」というのもその通りで、昨年はKICKSを選出しました。そこで2台を比べてみるとKICKSの方が荷室が広く、また静粛性が高いのです。

後席を倒したKICKSの荷室

後席を倒したVEZELの荷室

リアシートの座面を上げることで、背の高い荷物が収納できる(モデル:寺坂ユミ/純情のアフィリア)

 ですがKICKSはFF、VEZELは四輪駆動ですし、何よりVEZELは荷室がフルフラットになるほか、後席の座面をあげて背の高い荷物を積載できます。このメリットは計り知れません。

「そよ風アウトレット」(イメージ図)

タブレットライクなインフォテインメントディスプレイ

オーディオを再生した様子

 スマホトレイからエアコンのアウトレットまで、よい意味であきれるほど細やかな配慮がなされているのもVEZELの魅力です。タブレットライクなインフォテインメントディスプレイも使い勝手が良く、アプリを追加すれば機能拡張ができるのも魅力的。

 乗り心地も日本車SUVとしてはクラストップと言いたくなるほど上質なもの。いや輸入車に目を向けても、乗り心地の良さで上回るものはないのでは? 地に足がしっかりついた安定感と、しなやかな乗り味のバランスが実に見事なのです。

 そんなに良いVEZELですが、気になる点もなくはないです。まずひとつはe:HEVユニットの音。加速時や登坂時に景気よくエンジンが回るのですが、その音の割には加速しないというか。

 そして好みがハッキリとわかれるのが同色グリル。見慣れればコレはコレでアリですし、色によっては加飾でドヤったグリルより好ましく思うものの、これまた色によっては……。

 Hondaもそれがわかっているようで、純正オプションでフロントグリルを用意。その装着率は結構高いそうです。

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