あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第189回
ゆみちぃのMINIミニ大作戦
車内が広くてトルクフル! MINIのディーゼル&5ドアモデルは高速でも楽しい
2022年01月08日 12時00分更新
アイドルユニット「純情のアフィリア」のメンバーにして、ASCII.jp自動車部の部長を務める「あっち、こっち、ゆみちぃ」こと寺坂ユミくん。そんなゆみちぃ部長が憧れを抱くMINIを毎月1車種づつ試乗する連載「MINIミニ大作戦」も、ついに感動の最終回(おそらく)です。今回試乗するのは5Doorモデル。ゆみちぃ部長的に大本命の1台です。
MINIの中でも使い勝手のいい5ドアモデル
今やアイドル界で最もMINIに詳しいゆみちぃ部長(たぶん)。MINIの事なら、ゆみちぃ部長にお任せです。ですが「普通のモデルだと言われて乗ったら最強モデルのジョン・クーパー・ワークスだったとか、豪雨の中でスポーツモードを押されて306馬力が猛発進とか、なんなんですか! スパルタですか?」と、クルマの事より取材の思い出が心に強く残っている様子。
今回試乗するのはMINIの5Door。簡単に言えば、以前試乗した3Doorモデルにドアを2枚増やした1台です。その分だけ全長は16.5㎝ほど長くなっています。「これで後席が乗りやすくなりますね」というゆみちぃ部長。「大きさ的には、前回のクロスオーバーやクラブマンより、こっちの方が取り回ししやすそうでイイですね」と、コンパクトな方が好ましいと思われている様子。
部員的には「MINIは長年3Doorだった。5Doorは邪道」などと思うのですが、ゆみちぃ部長にはそのようなコダワリはない様子。逆にそういったコダワリは、脳が硬化している証拠。柔軟な発想がないとダメなんだなぁと、クルマをチェックする部長を見ながら感じました。そういう目で見ていくと、3Doorより5Doorの方がクラシカルな印象を受けるから不思議。
「この屋根、グラデーションなんですね」と目ざとく見つけた部長。こちら現行モデルからオプションで採用されたマルチトーン・ルーフというもの。お値段は9万6000円になります。広報の方によると、車両両前方には深みのある「ソール・ブルー」、中央部分になるにつれて明るい「パーリー・アクア」、さらに後方部分は濃い色「ジェット・ブラック」へと、徐々に変化している塗装なのですが、乾ききる前に塗装しているため、1台1台微妙に個体差が生まれるのだそう。つまりその屋根は世界で1枚しかない、というカスタマイズ性を楽しむMINIの世界にピッタリのもの。「とても綺麗ですね! 表情があってイイ」と、ゆみちぃ部長もお気に入り。
荷室は3ドアと比べて約3割ほど容量アップの278リットル。日本のコンパクトBセグと比べると少な目なのですが、それでも3ドアの狭さを見た目からすると「おぉ広い」と感じることでしょう。とはいえ、今回の取材では4人が乗車しているのですが、全員の荷物(というより部員Kの撮影機材がほとんど)を入れると、本当にギリギリな状態に。「荷物を大量に、というのは難しそうですね」とゆみちぃ部長はポツリつぶやきます。そしてバックドアを見て部長は何か異変に気付きました。「このCooper DのDって何ですか? Sはわかりますけれど」
ディーゼルエンジンモデルのMINI
そうなんです。今回はディーゼルエンジン仕様のMINIなのです。「でぃーぜるえんじんって、何ですか?」という部長。ディーゼルエンジンとは、燃料としてガソリンではなく軽油を用いる内燃機関。というのも最近ガソリンが高いのは誰もが知るところ。部長も街でガソリンスタンドを見かける度に「160円たっか!」と声をあげています。MINIのガソリンエンジンはハイオク専用ですので、さらに高くなってリッター170円とか176円とか。ちなみに1年前の2020年12月はリッター140円ですからね。高速道路で給油すると、もっと高くなります。
一方、軽油はリッター134円程度。「この価格差はどこから生まれているの? 軽油というだけに軽いから安いの?」と、ゆみちぃ部長から素朴な疑問が生まれるのは当然のこと。この価格差はズバリ税金。
ガソリンには、揮発油税(48円60銭/L)と地方揮発油税(5円20銭/L)のリッターあたり53円80銭のガソリン税を納めています。本来は揮発油税(24円30銭/L)と地方揮発油税(4円40銭/L)とを合わせて28円70銭/Lなのですが、2008年から暫定税率が適応されています。暫定税率は1973~1977年度の道路整備5ヵ年計画の財源不足に対応するために、1974年から35年間適応するというもの。そのおかげで日本の道路は綺麗になったのですが、2008年3月末に一度失効したものの、当時の福田内閣と衆議院で再議決され2008年5月1日から暫定のまま13年以上が経過しています。
軽油は地方税で軽油取引税と呼ばれています。現在は32円10銭/Lですが、本来は15円/L。こちらも2008年以降の暫定税率が適応されています。ちなみにヨーロッパでは軽油もガソリンもほぼ同じ値段で、英国の場合ハイオクがリッター200円、軽油が195円。アメリカではガソリンが116円に対して、軽油は139円と逆に高かったり。つまり「原価はほとんど一緒」なのです。軽いから安い、というわけではないのです。
「なるほど! 日本だと軽油はお安いんですね」と、納得するゆみちぃ部長。さらにMINIの場合、クリーンディーゼルですのでエコカー免税対象。全モデル自動車重量税が免税なのです! 「税金払わなくていいんですね!」ゆみちぃ部長の目はキラキラと輝きを増します。
しかもMINIのディーゼルは燃費がよくて、今回取材したモデルでリッター19kmを記録。ちなみに過去のガソリン車では、11~14kmといったところですから、燃料費が安くて燃費もイイ。「つまり、ランニングコストが安いということですね! メッチャいいじゃないですか! どうして今までディーゼルを選ばなかったんですか?」と、ゆみちぃ部長は車両手配担当の部員Kを責め立てます。そこにはディーゼルエンジンならではのデメリットがあるから。
それは、エンジンの騒音が大きくなりがち、ということ。さらにエンジンブレーキがかかりづらいという2点。ゆみちぃ部長は音が大きな車はお好みではないですから、避けていたのです。「そんなことないです!」と言い張りますが、実際ゆみちぃ部長は騒音の大きな車に乗ると黙ってしまいます。部長と楽しい車内を過ごしたい部員Kは、スポーツモデル以外でエンジン音の大きな車の取材を避けていました。ですが、昨今のガソリン代高騰と経費削減の両面から、今回はディーゼルエンジン搭載モデルを選んだのです。
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