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業界人の《ことば》から 第464回

企業は専業化しないといけないは思い込み、大谷選手の二刀流から感じる

2021年12月21日 18時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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今回のひとこと

「大谷翔平選手は、二刀流というありえないことをやってのけた。日立は、2022年からは成長の10年に入る。今後は、ITとOTの二刀流でやっていきたい」

(日立製作所の小島啓二社長兼COO)

 日立製作所は、2022年度から、新たな中期経営計画をスタートすることになる。小島啓二社長兼COOは、「次期中期経営計画の基本的なコンセプトは固まり、大まかなデザインもできた」としながら、「日立は、2022年から成長の10年に入ることになる。その中心になるのが、デジタルとグリーン。この2つは、別々のものではなく、掛けあわせたものになる」と語る。

 小島社長兼COOが、新たな中期経営計画において、力強い成長戦略を乗り出すベースには、現在、実行している「2021中期経営計画」の成果がある。

 「2021年までは基礎工事の時期。事業ポートフォリオの再編など、構造改革に取り組んできた10年間だった」と振り返る。

 2021年7月に買収が完了したGlobalLogicを筆頭に、2020年7月には日立ABBパワーグリッドを統合し、2021年10月にこれを日立エナジーに社名変更。2021年1月には、ホンダ系サプライヤーを経営統合した日立Astemoを発足。2021年8月には鉄道の信号関連事業を行う仏Thales S.A. (タレス)の買収を発表し、デジタルによる鉄道事業の成長戦略を加速する姿勢をみせる。その一方で、上場子会社であった日立化成や日立金属の売却といった大規模な事業ポートフォリオの変革を実施してきた。

 こうしたデジタルを軸とした構造改革に加えて、グリーンに関する準備にも余念がない。日立では、2021年9月に環境戦略を見直して、2050年にバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを達成する意欲的な計画を発表。2021年11月のCOP26には、プリンシパル・パートナーとして参加するなど、日立がグリーンに積極的に取り組んでいくメッセージを世界に向けて発信してみせた。

 こうした2021年度までの取り組みを、日立では、「社会イノベーション事業でグローバルリーダーになることを目指した改革」と位置づけている。

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