それは綿密な計画の上で実行されていた
ASUSの新戦略を大解剖! タブレットからクリエイター向けまでノートPCが全部「有機EL」になったワケ!!
どうして今、有機EL搭載モデルを強化したのか?
ASUS JAPANに聞いた
ASUSは11月に発売された冬モデルから、大幅に有機EL搭載機を増やした。しかし、なぜ今のタイミングなのかというのは気になるところだ。また、有機ELを採用するにあたり疑問に思うこともいくつかあったため、ASUS JAPANでノートパソコンのプロダクトマネージャーを務めるレイラ・リンさんにお話をうかがった。
Q:「なぜ今、全機種有機ELなんですか?」
ASUSレイラさん(以下同)「ASUSがノートパソコンを作り続けて20年、エルゴリフトヒンジを採用したキーボードや超狭額ディスプレーなど、常にユーザー様の目線で最新技術を取り入れてきました」
「昨今のユーザーは長時間ディスプレイを見ていることが多く、目に優しいディスプレーが今後のトレンドであると約2年前に感じ、今年の冬モデルというタイミングで有機ELディスプレー搭載モデルを一斉に発売することにしました」
Q:「ASUSにとって、有機ELの最大の魅力は何ですか?」
「最大の魅力はなんといっても液晶に比べ、目に優しいというところです。色の精度はそのままに有害なブルーライトを最大70%低減しています」
「そして圧倒的なコントラストとディテールも魅力的です。特に有機ELディスプレーで描かれる『漆黒』はぜひ体験して頂きたいと思います」
Q:「有機ELをこれだけ仕入れるのは大変ですよね?」
「先ほどもお話ししたとおり、ASUSは約2年前から有機ELディスプレーについて、パネルメーカー様と密に進めていたので、仕入れに関しては問題ありません」
Q:「液晶よりコストが上がると思うのですが?」
「確かに液晶に比べるとコストは高いですが、今回ASUSはエンドユーザー様に新しいスタンダード、新基準を提案することを目的としています」
「そのため新製品の価格帯は市場全体の90%以上を占める8万円から20万円まで取りそろえましたので、ご予算の範囲内で有機ELディスプレイを選択肢していただければと思います。有機ELディスプレーをはじめとしたさまざまな機能に実際に触れていただき、新基準の世界を体験してください!」
Q:「有機ELの消費電力や焼き付き問題などはどうやって克服したのでしょう?」
「バッテリー容量が大きくなりましたので、電池が持たないという事態にはならないと思います。焼き付き問題に関してですが、ASUSオリジナルのソフトウェアと、サムスン社の焼き付き防止テクノロジーで、ソフトとハード両方から対策をしています」
「また有機ELディスプレイ自体も製造技術が進化しているので、焼き付き問題に関しては以前よりかなり改善されています」
ASUSの有機EL搭載新ノートPC、注目モデルはこれだ!
冬モデルでは有機EL搭載モデルが多数登場したが、中でもオススメとなる4機種について、どの部分に力を入れているのか、どこに魅力があるのかをレイラさんにうかがったので紹介しておこう。
「Vivobook 13 Slate OLED」 T3300KA-LQ049W
ASUSレイラさん「世界で初めて13.3インチ有機ELディスプレーを搭載し、エンターテインメント性を重視した2in1タイプのノートPCです。美しいディスプレーによる動画鑑賞、持ち歩きやすさを重視したサブ機としての運用など、様々な用途でお使い頂ける1台です」
・基本スペック
本体であるタブレットと、キーボード、スタンド部が分離する2in1モデルで、CPUはPentium Silver N6000、メインメモリーは4または8GB、SSD256GBまたはeMMC128GBを内蔵する。もちろんタブレットなので、別売りの「ASUS PEN」も使用可能だ。
ディスプレーは13.3インチFHD(1920×1080ドット)の有機ELで、インターフェースはUSB3.2 (Type-C/Gen2) ×2にマイクロSDXC、コンボジャックを搭載。サイズは310×198×17.55mm、重量は1385g。価格は9万4800円からで、11月25日より順次発売となっている。
「Vivobook Pro 16X/14X OLED」N7600PC・N7400PC
ASUSレイラさん「Vivobook Pro 16X/14X OLEDは、編集作業の効率化に重点を置いています。プロクリエイター向けのProArtシリーズを開発した経験から、クリエイターにとってダイヤルの必要性を感じ、本製品にはタッチパッドでダイヤル操作を実現するバーチャルダイヤルパッド「ASUS DialPad」を搭載しました。これによりスムーズな編集作業が実現しています」
「Vivobook Pro 16X OLEDの有機ELディスプレーは4Kの解像度を持ち(14Xは2880×1800ドット)、PANTONE Validatedによる高い精度の発色と、シネマグレードの100% DCI-P3色域も備えているので、クリエイティブな作業に最適です」
・基本スペック
Core i7-11370HにGeForce RTX 3050を搭載した、メインストリームのモバイルノートPCで、メインメモリーは16GB、SSDは512GB内蔵し、キーボードは16型がテンキー付きの102キー、14型は84キーという違いがある。
ディスプレーは16:10で、16型は4K解像度3,840×2,400ドット(WQUXGA)の500ニト、14型は2.8K解像度2,880×1,800ドット(WQXGA+) (90Hz)で600ニト。
インターフェースはThunderbolt 4 (Type-C)に加えて、USB 3.2 (Type-A/Gen1)、USB 2.0×2にmicroSDXCカードスロット、HDMI、コンボジャックを搭載する。サイズは14型が317.4×228.5×18.2mm、16型が360.5×259×18.9~19.5mmで、重量は1.48kgと1.94kg。ボディーカラーはクールシルバーで、価格は14Xが20万9800円、16Xが21万9800円で、11月25日から順次発売されている。
「Vivobook Pro 15 OLED」 K3500PC
ASUSレイラさん「今回発売する製品の中で、最も標準的なモデルとなるものです。ノートPCながらもデスクトップレベルの性能を持ち、多くの作業を快適にこなすことが可能です」
「これからノートPCを購入しようと考えている方で、高速・快適な体験を望むのであれば、このVivobook Pro 15 OLEDがおすすめです。」
・基本スペック
CPUはCore i7-11370HでGPUにはGeForce RTX 3050を搭載。メインメモリーは16GB、SSDは512GBを内蔵する。ディスプレーは16:9の15.6インチFHDだ。
インターフェースはThunderbolt 4 (Type-C)、USB 3.2 (Type-A/Gen1)、USB 2.0×2にmicroSDXCカードスロット、HDMI、コンボジャックを搭載する。サイズは359.8×235.3×20.4mm、重量は1.65kg。価格は14万9800円からで、11月25日から順次発売。
「ProArt Studiobook Pro16 OLED」 W7600
ASUSレイラさん「ProArt Studiobookはワークステーションに匹敵するスペックを誇ります。それだけでなく正確な色を表示する有機ELディスプレー、スタイラスペン対応のタッチパッド、デザインソフトの効率性を加速させる物理ダイアル「ASUS Dial」を備えた、プロクリエイターのためのコンパクトな最適解です」
・基本スペック
CPUにはインテルのXeon W-11955MまたはCore i7-11800Hに、GPUはNVIDIA RTX A5000またはA3000を搭載。メインメモリは32/64GB、SSDは1TBまたは4TB(RAID0)を内蔵する。
ディスプレーは16:10の16インチの有機EL、解像度はWQUXGA(3840×2400ドット)で、最大輝度は600ニト、DisplayHDR500TrueBlack認定である。
インターフェイスはThunderbolt 4 (Type-C)、USB 3.2 (Type-C/Gen2)、USB 3.2 (Type-A/Gen2)×2に、HDMIとSDXCカードスロット、コンボジャック、1000BASE-Tの有線LANも内蔵する。サイズは362×264×19.9~21.86mmで重量は2.35kg。価格は42万9800円からで、12月順次発売されます。
これからノートPCを買うなら有機EL搭載モデルしかない!!
「有機ELは焼き付きが心配」という人は今も多いが、技術面での改善に加え、ASUS独自のツールによって、液晶ディスプレーに近い感覚で使えるということがわかった。さらに、同じ位置にウィンドウを表示しないといった使い方も工夫すれば、そこまで心配する必要はないだろう。
スマートフォンで有機ELを使っている人ならわかると思うが、液晶ディスプレーとは違ったクッキリとした画質は、慣れると戻れなくなる魅力がある。有機ELの美しい画面をノートPCでも体験したい、と考えているなら、安心して利用でき、ラインナップも多いASUSのノートPCをオススメしたい。