鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第39回
Core i9ー12900Kの空冷に挑戦!
【鉄板&旬パーツ】空冷CPUクーラー最強の一角Deepcool「AK620」を試す!
2021年11月28日 13時00分更新
写真、動画の編集やゲーム時の温度をチェック
Core i9-12900Kをフルロードする用途は限られるので、ここからはAdobe系アプリを使ったベンチマーク「UL Procyon」などを使って、実使用シーンでの「AK620」の冷却性能を見ていくことにしよう。
Adobe Lightroom Classic、Adobe Photoshopを実際に使って、写真の編集を行なう「Photo Editing Benchmark」(以下Photo)と、Adobe Premiere Proで動画編集のパフォーマンスを計測する「Video Editing Benchmark」(以下Video)を実行。今回のテスト環境では、テストに15分程度を要するPhoto Editing Benchmarkは、テスト開始から5分間。1時間程度かかるVideo Editing Benchmarkは、テスト開始から30分間の温度を抽出。最高温度と平均温度をまとめている。
Photo、Video実行時ともに「AK620」は、まったく不安のない温度で最高でも78度。平均はPhoto時で45.3度、Video時で54.5度になっている。放熱効果の高い360mmラジエーターを備える「CASTLE 360EX A-RGB」にはおよばないが、実売価格1万3000円前後の「NH-U12A」よりも高い冷却パフォーマンスを発揮している。
続いて「3DMark」のストレステストを使って、ゲーム中の温度を確認していこう。4K解像度でのテストとなる「Time Spy Extreme Stress Test」実行中の温度を15分間抽出している。
「AK620」は「3DMark」のストレステスト時もまったく不安を感じさせないない温度で、最高で72度、平均で49.7度となっている。ゲームによりCPU負荷は異なるが、まず熱の心配をする必要はないだろう。
騒音値も優秀な「AK620」
最後に各テストを実行した際の騒音値を見ていこう。OS起動後、10分ほど何もせずにいた際をアイドル時としたほか、テスト中ファン回転数が最大回転となるCINEBENCH R23実行時。さらに「UL Procyon」や「3DMark」を実行した際に各CPUクーラーのファン回転数をマルチメディア/ゲーム時としている。
なお、マルチメディア/ゲーム時のファン回転数は、「AK620」が1200rpm前後、「NH-U12A」が1300rpm前後、「CASTLE 360EX A-RGB WH」が1200rpm前後になっている。騒音値の計測は、ファン排気側から30cm離れた位置でしている。
「AK620」が備えている120mmファンは、アイドル時で36.5dBAと、Noctua「NH-U12A」が採用する「NF-A12x25 PWM」に迫る静粛性を発揮している。さすがにフルロード時の最大回転状態では騒音値は47.4dBAに達し、フィンのブレや共振音と思われるうなり音も気になった。とは言え、50dBAを超える「CASTLE 360EX A-RGB」よりは十分静か。マルチメディア/ゲーム時も、37.1dBAとPCケースに収めてしまえば、気にならないレベルになっているのもポイントだ。
「AK620」とCore i9の組み合わせも十分あり
CPUフルロード時とは言え、22~23度という室温とバラック組みの環境下で、92度と決して余裕のあるCPUコア温度とは言えないが、Adobe系アプリを使った写真・動画の編集や、ゲームプレイ時には問題ない温度に抑える冷却パフォーマンスを発揮した「AK620」。8500円前後という価格で、Core i9-12900Kの性能を引き出せるのは、かなり魅力的と言える。
オールインワン水冷CPUクーラーは、コスト面や水漏れの不安などでちょっとという人をはじめ、欲しいオールインワン水冷CPUクーラーのLGA1700向けマウンターの送付や、標準付属を待っているユーザーの選択肢のひとつに十分ありだろう。
Core i9ー12900Kにベストなオールイン水冷CPUクーラーも探してみたいところだが、ふと気がつくとLGA 1700に対応するDIY水冷向けウォータブロックが2製品手元に……。まずはこちらを近いうちに試したい。
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