誰も見たことのない世界を見せてほしい
社長の言いたいことと、やりたいことはよく理解できました。社長は開発には「クレイジーに俺は絶対これが欲しいというアホみたいなわがまま」が必要だったと話していて、これまで社長がバルミューダでやってきたことはスマホでも変わらなかったのだ、ということもよくわかりました。
1つ気になったのは、OSやアプリの更新がいつまで続くのか、後継機種がいつごろ出るのか。初代機は少なくとも3〜4年くらいは使えてほしいし、遅くともそのころまでには買い替え先にあたる後継機種が出ていてほしいところです。スマホは家電と違い、同じ基本仕様で売り続けるのが難しい製品ということもあり、今後、どこまで製品や技術の開発計画が描かれているのかが気になりました。新ブランドBALMUDA Technologiesでは今後、スマホではないほかの製品も含めて継続的に開発していくということなので、ロードマップには期待したいところです。
もう1つ気になったのは、BALMUDA Technologiesを通じて、社長はどんなビジョンを描いているのかということです。
社長が引用したアラン・ケイのエッセイに出てくる「草原で画面を見ている子どもたち」は、コンピューターを外に持ち出し、宇宙戦争ゲームで遊びながら、ゲームのプログラ厶を書き換えようとしている子どもたちを描いた挿画。いまとなってはプログラミング教育の必修化もあり、タブレットやゲーム機でプログラミングをしている子どもの姿を目にしても驚きは少なくなりました。ITの巨人たちが拓き、当時のビジョンがほぼ完璧に実現されたような世界を、バルミューダはどう変えようとしているのかが気になります。
スマホはあくまで第一歩。いずれ訪れるであろう次の波に乗るためには、良い道具だけでなく新しいビジョンが必要です。BALMUDA Phoneが当たるかはわかりませんが、巨人に石を投げるような挑戦的なコンセプトは素晴らしいものだと感じます。寺尾社長には止まらず走り続けてもらい、まだ誰も見たことのない新しいビジョン、新しい世界を見せてほしいと感じました。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。4歳児と0歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
人気の記事:
「谷川俊太郎さん オタクな素顔」「爆売れ高級トースターで“アップルの呪縛”解けた」「常識破りの成功 映画館に革命を」「小さな胸、折れない心 feastハヤカワ五味」
アスキーキッズメルマガ 毎週土曜に配信中
アスキーキッズは毎週土曜、一週間ぶんの記事をまとめて読めるメールマガジンを配信中。人気連載「ほぼほぼ育児」をはじめ、ニュース、イベント、プログラミング教育入門、みんなの子育て体験談など、子育ての参考になる情報満載です。ご登録はこちらから。