一方で、Horizontal Areasは、これらを支えるテクノロジーを担う領域として、「Digital Shifts」、「Business Applications」、「Hybrid IT」の3つを定義した。
「Digital Shifts」は、データドリブンや働き方改革がキーワードになる。「事業を持続していくためには、経験と勘だけでなく、データとテクノロジーを活用したアジャイル型の経営で、人々が創造性と生産性を最大限発揮できる環境を整え、変化への対応力を強化していくことが重要。富士通は、データドリブン経営、Work Life Shiftで、自らの変革を継続するとともに、持続可能な社会に向けて、業種、国を越えて、企業の変革と人々の働き方、暮らしを支えていく」とする。
「Business Applications」では、クラウドインテグレーションや最新アプリケーションを活用することになる。「未来の機会と課題に対処するためには、応答性が高く、差別化されたビジネスモデルを構築する必要がある。そのための鍵になるのが、グローバル標準のエコシステムと、ワールドクラスのエンジニアリングリソースによって実現する最新のアプリケーションを用いた、ユーザー中心型のアジャイルによるアプローチである。富士通が持つ様々なクラウドや、オンプレミス環境に対して、最先端アプリケーションの移行、最新化、開発、導入、展開、実行のためのスケーラブルなサービスを、グローバルで提供することで、世界中のお客様の継続的な成長を推進する」という。
そして、「Hybrid IT」は、クラウド、セキュリティが鍵と位置づける。「社会のあらゆるものがデジタルなタッチポイントでつながるようになり、業種や企業の壁を越えたサービスやデータの連携が求められるなかで、既存のインフラ強化に加えて、コネクテッドで持続可能な未来に向けた連携基盤を創り上げる必要がある。富士通のコア技術を中心としたパートナーエコシステムにより、誰もが、安全で、確実につながるデジタルインフラ基盤の提供を通じて、世界のヒト、モノ、コトを安全につなげ、社会課題解決と新たな価値を創出できるコネクテッドな社会を実現する」としている。
富士通は社会課題の解決をビジネスの軸に置き、本気に取り組むと宣言
時田社長は、7つの分野のなかから、いくつかの具体的事例を示してみせた。
Sustainable Manufacturingでは、「環境への配慮や消費者からの信頼が一層重視されるなか、サステナブルなモノづくりを実現ためにデータをつなぎ、サプライチェーン全体の透明性を確保するデータドリブンの取り組みが進められている」とし、フランスの大手ビール会社であるアンハイザー・ブッシユ・インベヴが、原材料が高品質に持続可能に生産されていることを示すために、富士通のブロックチェーン技術を採用し、農家から消費者に届くまでの関係者をつないだ実証を開始。100万本に貼付されたQRコードを読むと、このビールがどんな原料を使い、どこで生産されたのかがわかるようになるという。
また、Healthy Livingでは、電子カルテや健康管理情報などを組み合わせて、健康寿命を延伸させたり、Trusted Societyでは自動運転車両を活用して、高齢者の移動手段を確保したりといった取り組みがあることを示した。
その上で、「これらの取り組みを支えるのは、テクノロジーを生み出す情熱と力である」とし、「国産コンピュータの開発や、富岳の3期連続世界一が示すように、富士通には、人や社会を第一に考え、その信頼に応えるために、前人未到のテクノロジーに挑戦し続けるという、挑戦、信頼、共感のマインドがあり、それを脈々と受け継いでいる。AI、5G、スーパーコンピュータなどの先端テクノロジーを追求している。だが、テクノロジーは使われてこそ、価値を生む。富士通は、これからも未来の社会づくりに貢献できるテクノロジーを創出していく」と述べた。
時田社長は、「富士通は、Fujitsu Uvanceを通じて、人々がグリーンな環境のもと、豊かで、安心して、自分らしく生きられる世界にトランスフォームしていくことに本気で取り組んでいく」と語る。
そして、「富士通は、誰もがいきいきと暮らせる世界ができたとき、そこに貢献してきたと胸を張っていえる企業になりたいと思っている」とし、「Fujitsu Uvanceで、パートナーと一緒になって、サステナブルな未来を実現していきたい」と語る。
Fujitsu Uvanceは、サステナブルな世界の実現を目指す富士通の新事業ブランドであるが、それと同時に、富士通が、社会課題の解決をビジネスの軸に置き、そこに本気にになって取り組むことを宣言した証であるともいえる。
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