警備業界の人手不足をロボットで解消へ「ugo TSシリーズ」本格商用化
DX事業としては、警備業務を一元管理出来るプラットフォームシステムを自社開発
2021年11月1日、総合ビルサービスの大成株式会社は警備ロボット「ugo TSシリーズ」の2021年11月からの本格商用化の開始に先立ち、The Okura Tokyoにて事業戦略・新CM発表会を行なった。
はじめに大成株式会社代表取締役副社長執行役員 加藤憲博氏が登壇。
現在同社はビルメンテナンスが業務の中心であるが、「オープンイノベーションを通じ、業界における新商品・新サービスを展開していきたい。目指す姿はNext FM provider」と新たな管理を提供する会社でありたいと話す。
「ugo TSシリーズ」開発の背景には警備業界の人手不足がある。少子高齢化が進み、日本の労働人口は減少中。20年近くで1428万人の人口減により、月6万人の働き手が減るといわれている。警備業界の有効求人倍率は6.20倍と採用がし難い状況だ。働き手の現象・労働環境の悪化が業務品質の低下へと繋がり、成長の機会が失われつつある。
そのような厳しい状況の中で大成株式会社はugo株式会社と手を組み、「ロボットと人との共存 新しい業界づくり」を推進。通常警備員が行なっているような立哨・巡回をロボットに置き換えることによって、人手不足の解消を目指す。
DX事業としてはugoのみならず、警備業務を一元管理出来るプラットフォームシステム「T-Spider」を自社開発。「T-Spider」を通じて多くのロボット・システム・センサー等と連携をし、遠隔操作を可能とする。今後は「T-Spider」を軸とし、警備業界では困難とされていた情報の収集・一元化を図り情報の「見える化」を目指す。
人とロボットのハイブリットを目指す
続いてugo株式会社代表取締役CEO 松井健氏とともに、ugo TSシリーズ「ugo(ユーゴー)」くんが登壇。
ugo株式会社と共同開発に至った背景として加藤氏は、「ロボットは縦の移動が難しい。ugo社のロボットは二本のアームで操作ができ、エレベーターの乗降が可能。縦の移動が可能になった事は、大きな革新だ。」と語る。事業開発、資本提携を結び、二年に渡る年月を経て共同開発を行なった。
ugoの開発コンセプトは呼び名の通り「人とロボットの融合」。「人の仕事を奪うのではなく、人の能力を拡張する道具である」と松井氏は強調する。「遠隔操作のみならず、AIを活用して繰り返し作業を自動化し、さまざまな仕事に活用していきたい。また、テクノロジーを活用し、人口減少をする日本の新モデルとして体現していきたい」と今後の展望を語った。
大成では今後ugoを警備業務で活用。「自社のみならず多くの警備会社・ビルオーナーと共にugoを広めていきたい。5年以内には人とロボットが全ての施設管理を担えるような世界を築きたい。遠隔操作が出来れば、今まで警備業界では採用が難しかった方への雇用創出にもつながる」と話した。
新CM発表「カタイ社名で、じゆうな発想。」DXビルメンテナンスに革命
次に2021年11月1日から放送される新CM「じゆうな発想・警備ロボット編」の発表が行なわれた。自らエレベーターのスイッチを押し、人と会話をする様子が映し出された。
発表後はイメージキャラクターを務める女優の小芝風花さんが登壇。ugo君に対しては「ロボットがエレベーターのボタンを押す事ができるのは凄い。まばたきをするなど、表情が豊かでかわいい」と絶賛。
すると大成株式会社よりCM出演を祝してサプライズが。ステージ中央にエレベーターが現われ、小芝さんがスイッチを押すと実際にugoくんが登場。ugoくんから発せられた「こんにちは、皆さんの安心と安全を守ります」の声は、事前に小芝風花さんの音声を録音した、世界に1台だけのugoくん小芝風花バージョンだ。
そしてもう1つのサプライズ。司会者がエレベーターのスイッチの前へ行くように声を掛けると「左へ曲がります」とugoくん。スイッチの前へ向かい、小芝さんが応援する中、実際にugoくんがエレベーターのスイッチを押す。すると中から大人気キャラクター「TT兄弟」に扮したチョコレートプラネット・長田さんがugoくんと共に登場。「TT兄弟」ならぬ「大成兄弟」としてTポーズを披露し、会場を沸かせた。
拡張性の高さをクイズ形式で紹介
ここからは警備ロボットugoくんにまつわるクイズ対決。3問に渡ってugoくんの性能について○×の2択問題が出され、小芝さんが全問正解し、イメージキャラクターとしてのメンツを保った。ちなみに、チョコレートプラネットのお二人は全問不正解。
ugoくんの特徴として紹介されたのは下記の3点。・104〜165cmまで上下の伸縮が可能 ・3台のカメラを駆使し、360度の全方向を監視 ・日本語のほかに英語やスペイン語、中国語などの6ヵ国語対応
実際に、英語で、「good job today!(今日もお疲れさま!)」やスペイン語で「Muchas gracias(ありがとうございます)」と他言語を披露した。
ゲスト3名による質疑応答
最後には小芝風花さん・チョコレートプラネットさんの3名による質疑応答を実施。その中で小芝さんはあと2ヵ月で終わる2021年を「あっという間で、楽しかったです。」と振り返り、来年2022年の豊富として「大成さんの「カタい社名でじゆうな発想」というキャッチフレーズが好きで、私も自由な発想を忘れないで、これからも楽しく仕事ができたらいいなと思っています」と語った。その後、フォトセッションが行なわれ、発表会は幕を閉じた。