Alder Lakeは11月に発売でほぼ確定か?
登場時期が間もなく、という件に関しては2つの傍証がある。1つはIntel Innovationの存在だ。新製品のアピールにこれほど適した機会はないし、逆にここで紹介しながら「製品投入は半年先」とかだったら、むしろネガティブな印象を与えかねない。もちろん遠い将来の製品のプレビューというのならまた話は別なのだが。
ついでに言えば、このIntel InnovationのTech Sessionのなかには下の画像まで挙がっている。これがあるということは、逆に発売間近と考えるのは妥当だろう。
もう1つの傍証だが、Alder LakeはDDR5に対応していることは連載629回ですでに報じたとおりである。
ただ現時点でどの程度のDDR5のモジュールが出回っているか? というとまだ数はそう多くないわけだが、インテルは2021年9月に“DDR5-4800 UDIMM Non-ECC Validation Results”というドキュメントをリリースしている。
この中でインテルはすでに5社(MicronとCrucialを別と見るか同じと見るかは微妙なところ)12品種のDDR5 DIMMに関して検証を完了して動作を保証していることを明らかにしている。もちろんこの12品種は現時点では直接購入はできない。
そもそもこのリスト自体が、メーカーと直接交渉窓口を持つOEM/ODMベンダー向けに、検証に使える製品の一覧を示したものであるのだが、こういうリストが一般に出てくる時点で、もう製品出荷が近いことを示している。
というのは、Tier 1とTier 2のマザーボードベンダーやOEMメーカーは、こうしたリストを秘密保持契約の元で、ずっと以前に入手してモジュールでのテストを完了しているからだ。これが公開されるというのは、もう秘密保持契約が不要なほど出荷が差し迫っていることの裏返し、と考えるとわかりやすい。
これだけ状況がお膳立てされている以上、Intel Innovationの中でAlder Lakeベースの第12世代Coreプロセッサーが発表されると考えるのはごく普通だろう。まだ現時点ではこれ以上深い話は明らかではないが、深い話はいずれイッペイ氏かKTU氏が頑張って記事を書いて下さると思うので、期待して待ちたい。
一切情報がないPentium/Celeronは
Comet Lakeのまま当分引っ張る可能性大
最後にPentium/Celeron向けについて。現状、次世代のPentium/Celeronがどうなるかに関して一切情報がないのは、ひょっとすると現状のComet Lakeのまま当分引っ張るつもりなのではないか? という気がしてならない。
新型コロナウイルスの影響で大幅にPCの出荷台数が増えたことで一時期は在庫が払底していたこの業界も少しづつ在庫が戻りつつあるが、意外にもこのコロナによる在宅勤務などの影響でわかったのは、特にZoomやTeamsなどを使うのにはそれなりのCPU性能が必要ということである。
結果、Celeron/Pentium向けのニーズはそれほど高まらず、需要があるのはCoreプロセッサーという傾向が出つつある。もちろんこれはインテルとしても歓迎できる動きである(なにしろASPが上げられる)が、そうなるとPentium/CeleronをRocket LakeやAlder Lakeに移行する動機付けは薄くならざるを得ない。
遅くても2023年中にはDDR5プラットフォームに移行しないとメモリーが入手できなくなるので、その意味でも2022年後半~2023年にはDDR5ベースにPentium/Celeronも移行すると思われるが、逆に言えば今急いで移行する必要はない。
Rocket Lakeは14nmのままだが、ダイサイズが大きくなるからコストが厳しいPentium/Celeronには不利だし、いまさらPentium/Celeron向けに2コアのダイを作るコストも無駄が多い。
だからといって現状のAlder LakeはIntel 7を使っていることもあって、そもそも生産量が十分ではない。ならComet Lake Refreshのままでもいいだろう、という発想だ。
幸いにもというか不幸にもというか、AMDもAthlonに関して品不足があまり解消されていないし、Zen 3ベース(つまりRyzen 5000Gベース)のAthlonも出てくる気配がないので、ここで無理に新製品を投入するニーズも薄い。
というわけで、このあたりは当分なにも情報が出てこないまま、現在のComet Lake Refreshベースの製品が、LGA1200プラットフォームと組み合わせて提供されづづける感じになりそうである。
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