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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第294回

つぶれたネジも回せるペンチ「ネジザウルス」中古モトコンポのレストアで大活躍!

2021年08月29日 17時00分更新

文● むきみ(@TK6506) 編集● ASCII

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鍵穴カバーのネジがサビサビ

 前回、ライトスイッチやウインカーレバーなどが付いているスイッチボックスの掃除をして、中のサビをあらかた取り終わったモトコンポ(第293回「中古モトコンポのスイッチボックス内部のサビをきれいにしました」)。スイッチ周りがきれいになったら別の場所も気になってきました。

 ひとつは鍵穴のカバーを固定しているネジ。錆びてるし、外し損ねたのか頭の溝がつぶれてるし、鍵穴のすぐ上というわりと目立つところにあるので、何とかしたいところです。

鍵穴のカバーを固定しているネジが、錆びているうえになめてしまっています

 ネジの頭の溝が削れてしまうことを「なめる」と言ったりするんですけど、これはもう「なめる」なんていうレベルではなくて、完全に溝が無くなって丸い穴になってしまっています。錆びついてしまって回せず、何度もドライバーを使っているうちにすっかり削れてしまったんでしょう。

錆びたネジを外せるネジザウルス

 こうなるとドライバーではどうしようもないので、錆びたネジやなめたネジやをガッチリつかんで回せるというペンチ、エンジニア製「ネジザウルス」を使ってみました。こんなこともあろうかと買ってあったのです。

 ……ということではなくて、ハンヴィーで使うかと思って買ったものの、いじるところは太いボルトが多いし、意外と錆びてなくて、工具箱の中で眠ってたんですよね。ようやく出番が回ってきました。

錆びたネジやなめたネジを外すことに特化したペンチ「ネジザウルス」。見た目のゴツさも魅力的

 前回使った錆び取り剤の「ネジザウルスリキッド」と同シリーズというか、元になったのがこのネジザウルス。ネジザウルスと一緒に錆び取り剤を買うお客さんが多かったため、それならということで開発したそうです。

嘘のように簡単に外れました

 さっそくネジを外してみましょう。まずは浸透防錆潤滑剤「ワコーズ ラスペネ」をシューッと吹き付けて、十分に染み渡ったところでネジザウルスの登場です。

潤滑剤を十分に染み込ませたあと、ネジザウルスでつかんでゆっくり回します。縦につかむので狭いところでも全然平気

 普通のペンチはネジの頭を横から掴むためペンチがほぼ水平になってしまって作業がしにくいんですが、ネジザウルスは先端に縦溝が掘られていて、縦方向につかめるんです。しかも超ガッチリ。

 でもね、とはいえペンチはペンチなので、滑りながら何度かつかみ直す感じなんでしょ? なんて思ってたんですよ。最初は。

 それが実際に使ってみたらビックリ、すべる気配すらなくグイグイと回せるので、あっという間に外せてしまいました。「外せてしまった」っていうのも変ですが、本当にそんな感じ。え、こんなに簡単に回るものなの? みたいな。

 なんでもこの先端のギザギザには秘密の角度が付けられているのだそうで、特許を取得しているというのも納得のパワフルさです。

ネジは再利用不可でした

 外したネジは頭のすぐ下あたりのサビが激しく、ネジ山がほとんど無くなっていました。

ネジの頭にネジザウルスが食い込んだのがよくわかります。外したネジは錆びて使えないので同サイズのネジと交換します

 これでは再利用どころか再生も無理なので、うちにあった同サイズのネジと交換します。M5の10mmだったかな。バインドネジというネジで、ナベ小ネジと呼ばれる普通のネジより頭が大きく、接する面積が広いので陥没しにくくしっかり固定できるのが特徴です。見た目も普通のネジとはちょっと違うので、その点もお気に入りです。

ネジ穴を修復します

 ネジは新品に交換するだけと思ったんですが、軽くねじ込んでみるとちょっと抵抗が……。ネジ穴の方もかなり錆びてしまっているようです。

ネジ穴もサビていたのでタップで修復

 ネジ穴はタップでネジを切り直して修正します。切削油を吹き付けながら右に1回転させたら1/4回転戻す。それを繰り返します。タップは最初に使うもの、中間、仕上げ用と3種類あるんですが、今回は一からネジ山を作るのではなく切り直すだけなので、中間から始めました。

 タップとダイスの使い方は中学の技術の時間で習ったんじゃなかったかな。アルミ製のハンマーを作るのに、ヘッドに穴を開けてタップでネジを切り、グリップの先端にダイスでネジを作ってねじ込むっていう。まさかおじさんになってそれが役に立つ日が来るとは思ってもみなかったなぁ(笑)。

 カバーを外して作業すること数分。ネジ穴の修復は完了です。

ウインカーをバラします

 もうひとつ気になったのはウインカー。ウインカーレンズはペンキでも付いたのか黒く汚れてるし、金具がサビサビです。

金具は電気が通っているのが不思議なぐらい真っ茶色に錆び、ウインカーレンズは黒く汚れています

 幸いウインカーのボディーとレンズは新品が手に入ったので、まるっと交換しちゃいます。まずは分解してみましょう。

電球を外して、ソケット部分の金属プレートをペンチで引き抜きます。このプレートがマイナス端子になっています

プラス端子と端子を固定するプラ部品、端子を電球に押し付けるスプリングは汚れもほとんどなく、金属部分に錆もなくてキレイでした

 ボディーの一部に切り欠きがあり、そこにマイナスドライバーを突っ込んでググッとひねるようにするとウインカーレンズが外れます。電球を回して外し、金属プレートを引き抜くと端子と電球を押し付けるスプリングが出てきます。

 もしかしたらスイッチボックスのように錆びたりひどく汚れたりしてるかもと思いましたが、ここは大丈夫でした。一安心です。

ウインカーの中身。コードが中に入る部分にはゴムパーツが付いていて、水が入らないようになっています

 接点を押さえている金属プレートはザラザラのグレーになってしまっていましたが、ひどいサビは見当たりません。プラ部品やスプリング、浸水防止のゴムは新品同様な感じ。コードの先端の接点もそのままいけそうです。

ウインカーのガワを交換

 ウインカーの中身を新しいボディーに入れて組み直します。

新品のガワはやっぱりキレイさが違います。ネジとワッシャーは新品に交換

 コードの接点を固定していたネジは頭を削ってマイナスの溝が付けられていました。プラスドライバーで回らなくなってしまい、以前のオーナーさんがヤスリで溝を切ってマイナスネジで開けたんじゃないかな。これは使えないので交換。ワッシャーも錆びていて通電性が不安なので新品にします。

新しいボディーにコードを差し込み、スプリングとプラ部品を元に戻して金属プレートを押し込みます

 ボディーの交換は中身を元の通りに入れるだけ。後ろからコードを差し込んで浸水防止ゴムをボディーにはめ込み、端子を固定部品に差し込みます。スプリングを入れて固定部品を乗せ、金属プレートを指で押し込んだら、あとは電球を付けてウインカーレンズをパチンとはめ込めば完成です。

金具を付けて車体に戻してテスト。ちゃんと点滅してくれました

 とりあえず固定金具を元通り取り付け、車体に戻して動作テスト。動かなかったらまたバラさないといけないので、めんどくさくてもテストは大事です。

金具は錆び取り剤で復活!

 ウインカー本体はこれでオーケーなんですが、問題は固定金具。完全に錆び切っています。

ウインカーをハンドルに固定するための金具は真っ茶色。ネジも真っ茶色

 金具の錆落としには前回同様に「ネジザウルスリキッド」を使いました。ビーカーに金具を入れて全体が隠れるぐらいまでネジザウルスリキッドをシューシュー吹き付けます。

金具はネジザウルスリキッド漬けに。めっちゃ濃い紫色になりました

 ネジザウルスリキッドはサビに反応して紫色に変色します。紫っていうか、パッと見は黒ですね。こんなに色が濃くなったのは、それだけ錆びているという証拠なのではないかと思います。

長めに30分ぐらい放置して水洗い。使ったネジザウルスリキッドはビーカーの底に残る鉄粉のカスは取り除いて、大量の水で流します

見違えるほどキレイになりました。若干黒い部分が残っているものの、これなら満足

 液に付けて放置して洗うだけで金属の光沢が戻ってきました。表面がサビで侵されているため凹んでいるところに黒っぽさが残っていますが、最初のあの状態に比べたら段違いの状態です。

 このままだとまたすぐ真っ赤に錆びてしまうので、薄く防錆剤を吹き付けておきます。

ウインカーに戻します。これだけキレイなら通電も問題なしです

ハンドルのプレートに接する部分はほぼ完璧に元通り

 これでウインカーのレストアは完了。でも気になる場所はまだほかにも……。

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