今一番話題のデジタル一眼といえば、ニコンの「Z fc」。フィルム時代を思わせるクラシックなデザインが今の時代にはカワイささえ感じさせるという、なんとも気になるミラーレス一眼なのだ。
これがまた見た目以上に軽くて携帯しやすいので、散歩の友にいい感じなのだ。でも本格的猫散歩にでかけるまえに、カメラの特徴を把握すべく、保護猫シェルターQUEUEに向かったのである。冷房も効いてるしね。お邪魔したのは15時頃のお昼寝タイム。
このカメラ、見た目でなんとなく想像がつくように、でかいレンズ付けてガシガシ連写したり、苛酷な現場で苛酷な撮影に取り組むようなカメラじゃない。日常の心をハっと捕まれる瞬間を捉える、撮る気持ちを楽しむカメラ。だからほにゃんと寝てる猫やのほほんとした姿を記録したいと思ったのだ。
1枚目はカウンターの上でほにゃんと伸びてる猫。首輪がついてるのは譲渡対象外のQUEUE所属猫だ。こういう伸びてる姿は広角レンズで遠近感をちょっと強調してやるといい。カウンターに並んでる猫写真たちも一緒に。
Z fcはニコンのZシリーズなので猫瞳AF搭載。だから構図とタイミングだけを気にして気持ちよく撮れるのがいい。
この右側のおでこの模様が特徴的な猫、はじめて会ったときはまだ小さく幼かったのに、いつのまにかすっかり若者の顔に。一緒に保護された猫はおおむね里親が決まって引き取られていったようだが、この子はまだ残っている。ずっと残ってるのも良くないし、でもいなくなるのも寂しいし、複雑な感じですな。
ではまったり猫写真といこう。標準ズームではなく、「50mm F2.8 MC」という50mmのマクロレンズを使用。マクロレンズにしたのは、距離を気にせずにぐぐっと寄って撮れるから。50mmはAPS-Cサイズセンサーのカメラにつけると、ほど良い中望遠になっていい。
1枚目はぱくっと食べられちゃった猫を。口の中でくつろいで寝てる姿がカワイイ。全体を写しちゃうとぬいぐるみがかわいすぎちゃうから、ぐぐっと寄ってぬいぐるみの牙だけがわかるくらいに寄って撮影。
続いてキャットタワーでお昼寝してるチャトラの子猫。タワーの柱に手をかけて気持ちよさそうに寝てる姿がヤバい。一見不安定だけど、身体は円形ハンモックの中にあって安定してるのである。そして頭はフレームを枕にしてるのだ。
ちなみに、目を閉じてる猫だとカメラが瞳として認識するかどうかは微妙。猫の模様にもよるんだけど、認識することもあればしないこともあるので、寝姿を撮るときは一点AFなどを使った方が失敗しない。
では瞳AFが全力を発揮してくれるヤツを2点いこう。冒頭写真はアゴをくっつけてへちゃーっとなってるカット。ちゃんと手前の瞳にAFが来るので安心して撮れる。もう1枚は黒猫。首輪をしてるのは譲渡対象外の印。目と首輪以外は真っ黒なのが凛々しくてよいのだった。
最後は猫瞳AFとか全然関係ない写真を。チャシロの子猫がおもちゃで遊んでるとこにキジトラの子猫がやってきて一緒に遊びはじめたので、タッチAFを使って頭のてっぺんにピントを合わせて、上から撮ったらちょっと面白い写真になったのだ。
さて、今回使ったNikon Z fcであるが「見た目が気に入ったら買っちゃってOk」である。ダイヤルなんて飾り、とオートで撮って全然OK。気軽な撮影なら、オート+露出補正でだいたいなんとかなるし、ときどきオート以外のモードであれこれいじってじっくり撮る感じでよいかと思う。持ち歩いて楽しいお散歩カメラだ。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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