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Apple M1搭載で大幅性能アップの「iPad Pro」&カラフル7色「iMac」特集 第35回

現行iPadベンチ総チェック! 1つの例外を除いてM1搭載iPad Proが圧倒

2021年06月29日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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■iMovie出力
 iMovieを使ったテストでは、すでに述べたように約50秒の4Kビデオをプロジェクトに読み込み、その全体を540pで出力するのに要する時間を計測した。ストップウォッチを使った手動の計測なので、多少の誤差は免れないが、あったとしても0.1秒程度と考えている。

 まず結果のデータを表に示す。

 処理に必要な時間を計測しているので、値が小さいほど高速ということになる。グラフで比較してみるまでもなく明らかなように、この結果は論争の対象となりそうなものだ。M1のiPad ProとA12のiPad iPad、iPad miniがほぼ同じで、A14のiPad Airは、だいたいその2倍ほど速いというものだからだ。

 間違いのないよう、手順を確認しながら何度も計測した結果なので、現状のテストではこれが正しい結果だと確信している。この理由は、大きく2つほど考えられる。1つはiPadOS上のiMovieが、まだM1チップに最適化されていないということ。そうだとしても、iPad Airの2倍の時間がかかるのは、ちょっと遅すぎると感じられる。もう1つは、M1搭載のMacBook Airや同Pro、Mac miniが登場した際にも言われていたように、「M1は出力が遅い」という傾向が、ここでも現れているということかもしれない。それにしてもMacの場合、そもそも「iMovieではM1の出力が特に遅い」という傾向は見られず、同クラスのインテルCPU搭載モデルと比較すれば、iMovieの出力時間はずっと短かった。

 この結果は現状では確かなものと考えているものの、iPad Proが速くない原因は不明と言わざるを得ない。今後、iPadOSやiMovieのバージョンが改められることでM1対応が進み、このような傾向が解消される可能性もある。機会があれば、一定期間の経過後に再び確認したいと考えている。

 

筆者紹介――柴田文彦
 自称エンジニアリングライター。大学時代にApple IIに感化され、パソコンに目覚める。在学中から月刊ASCII誌などに自作プログラムの解説記事を書き始める。就職後は、カラーレーザープリンターなどの研究、技術開発に従事。退社後は、Macを中心としたパソコンの技術解説記事や書籍を執筆するライターとして活動。近著に『6502とApple II システムROMの秘密』(ラトルズ)などがある。時折、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として、コンピューターや電子機器関連品の鑑定、解説を担当している。

 

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